TOKAIHD Research Memo(3):通期ではガス・石油事業で増益幅が拡大する可能性
[14/09/18]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■決算動向
(2)2015年3月期の業績見通し
TOKAIホールディングス<3167>の2015年3月期の連結業績は、売上高が前期比4.2%増の196,900百万円、営業利益が同11.1%増の8,210百万円、経常利益が同5.2%増の7,380百万円、当期純利益が同23.2%増の3,200百万円と期初計画を据え置いている。
顧客件数は2,586千件と前期末比で68千件の増加を見込む。増加幅の大きいサービスとしてはブロードバンド事業とアクア事業となる。また、ガス事業は解約率の低下によって増加を見込んでおり、CATV事業では放送サービスの減少を、通信サービスの伸びでカバーする。なお、放送サービスに関しては、2014年7月より東京キー局(テレビ東京を除く)停波の影響などにより前期末比6千件の減少を想定しているが、足元の状況は想定よりも影響は軽微にとどまっている模様だ。
事業セグメント別の営業利益は、ガス・石油事業で前期比3億円の増益を見込んでいるが、前述したように第1四半期に計画以上の利益が出たほか、第2四半期においても間接コストの抑制など合理化効果の継続で、引き続き強含みの利益が見込まれている。このため通期での増益幅もさらに拡大する可能性が高い。
また、情報通信サービス事業では、ブロードバンド事業における顧客件数の拡大とともに、顧客獲得効率の向上などで前期比27億円の増益を見込んでいる。第1四半期は新規契約件数が減少したことが、計画超過の要因の1つとなっていたが、第2四半期以降はほぼ計画どおりに推移する見通しだ。
アクア事業では、顧客件数の拡大により2ケタ増収ペースが続き、通期では広告宣伝費や顧客獲得費用の減少も見込まれることから、損失額は縮小する計画となっている。
一方、減益を見込んでいるのがCATV事業と建築・不動産事業となる。CATV事業では、東京キー局(テレビ東京を除く)の停波などが減益要因と考えられる。また、建築・不動産事業では、消費増税の反動減によるマイナスの影響を見込んでいる。
全体的に見れば、通期の売上高はほぼ計画どおりの進捗となり、営業利益はLPガス事業の超過分が増額要因になるものと予想される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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