フォトクリエイト Research Memo(3):主力のインターネットサービス事業はスポーツ領域が過半を占める
[14/09/22]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■会社概要
(2)事業概要
フォトクリエイト<6075>は現在、インターネット写真サービス事業、フォトクラウド事業、広告・マーケティング支援事業の3つの事業を展開している。2014年6月期の売上構成比率はグラフのとおりで、インターネット写真サービス事業が77.9%と売上の大半を占め、同社の主力事業となっている。
また、事業構造としては図のとおりとなっており、システムプラットフォームはインターネット写真販売事業、フォトクラウド事業とも共通となっている。
各事業の概要については、以下のとおり。
○インターネット写真サービス事業
インターネット写真サービス事業では、スポーツ大会などの各種イベント開催情報を収集し、主催者からイベントでの撮影許可を得ることから始まる。撮影許可が下りれば、契約カメラマンを手配し、イベント参加者などの写真を撮影、同社が撮影後の写真データの収集、整理を行い、数日後にWebサイトに掲載する。イベント参加者は同サイト内で撮影された好みの写真を選択し、注文する流れとなる。
収益構造としては、売上高は写真の販売額となり、費用としてカメラマンに対する報酬費用(撮影代)や主催者側に支払う撮影協賛金、プリント費用、発送費用、システム維持費用などが含まれ、粗利益率で見れば約50%の水準となっている。従って、売上高についてはイベント数やイベント参加者数の増減によって影響を受けることになる。
撮影するイベントはスポーツイベントや学校などの年間行事、地域のお祭りや音楽イベントなど多種多様だが、領域ごとに専門サイトを作ることで、顧客の利便性を高めている。2014年6月期の売上構成比で見ると、スポーツ領域が58%と過半を占めており、次いで教育領域が25%、文化領域が17%となっている。
スポーツイベントでは約70種目、年間5,000大会を超えるスポーツイベントの撮影を実施している。主な種目としてはマラソンや自転車、ダンス、サッカーなどがあるが、なかでも大規模なマラソン大会や自転車大会では約9割のシェアを握るなど、デファクトスタンダード化している。インターネットによる写真販売という新たなビジネスモデルにいち早く着目し、先行的に市場を獲得してきたこと、また、同時に高品質な写真を撮影するプロのカメラマンの契約数を同時に拡大させてきたこと、などが成長要因につながっているとみられる。
なお、カメラマンの契約数は2014年6月末段階で1,445名、2014年6月期の掲載イベント数は13,705件と順調に拡大している。
○フォトクラウド事業
フォトクラウド事業は、写真事業者向けに同社のシステムを提供するサービスとなる。契約した写真事業者が学校や結婚式場などのイベントで撮影した写真を、同社の学校写真専門サイト「スナップスナップ」やウェディング専門サイト「グロリアーレ」に掲載し、同社が注文を受け、発送・決済する流れとなる。
収益構造としては、通常のASPサービスと違って月額のシステム利用料金は徴収しないため、売上高は写真の販売額のみとなる。一方、費用としては、システム維持費用やプリント・発送費用などのほか、写真事業者に販売額の一定料率を支払う撮影協賛金が含まれる。固定費としてはシステム維持費用のみであるため、費用の大半は変動費となっているところが、インターネット写真サービス事業との大きな違いとなる。学校写真や結婚式などは毎年、一定のイベント数が見込まれるため、天候によって左右されるスポーツイベントとは違って、安定した需要が見込まれる事業と言える。
売上高に関しては、写真事業者との契約数拡大とともに増えていくことになるが、とりわけ、学校領域においてはEC化率がまだ全体の7〜8%と低く、普及率の上昇も今後のプラス要因となってくる。2014年6月期の売上構成比では教育領域が51%と初めてウェディング領域を上回るなど、今後の成長市場として注目されている。粗利益率は20%とインターネット写真サービスと比較して低くなるが、大半が変動費で占めるため、逆に収益の安定性に関しては極めて高いビジネスモデルとなっている。
なお、2014年6月末時点での契約写真事業者数(教育領域)は1,149社と順調に拡大している。
○広告・マーケティング支援事業
広告・マーケティング支援事業では、同社のWebサイト上におけるネット広告収入のほか、顧客企業の商品と同社が持つ資産を組み合わせたマーケティング支援サービスなどを手掛けている。現時点では、インターネット広告収入が大半を占めるため、費用はほとんどかからず収益性は高くなっているものと思われる。
特に、ここ最近強化している取り組みとして、イベントで撮影した写真のなかに含まれる様々なデータを活用したデータベース・マーケティング事業が挙げられる。具体例としては、マラソン大会で撮影された写真から参加者がどのようなシューズや衣類などを使用していたかをデータベース化し、メーカーのマーケティング支援に役立てている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<FA>
(2)事業概要
フォトクリエイト<6075>は現在、インターネット写真サービス事業、フォトクラウド事業、広告・マーケティング支援事業の3つの事業を展開している。2014年6月期の売上構成比率はグラフのとおりで、インターネット写真サービス事業が77.9%と売上の大半を占め、同社の主力事業となっている。
また、事業構造としては図のとおりとなっており、システムプラットフォームはインターネット写真販売事業、フォトクラウド事業とも共通となっている。
各事業の概要については、以下のとおり。
○インターネット写真サービス事業
インターネット写真サービス事業では、スポーツ大会などの各種イベント開催情報を収集し、主催者からイベントでの撮影許可を得ることから始まる。撮影許可が下りれば、契約カメラマンを手配し、イベント参加者などの写真を撮影、同社が撮影後の写真データの収集、整理を行い、数日後にWebサイトに掲載する。イベント参加者は同サイト内で撮影された好みの写真を選択し、注文する流れとなる。
収益構造としては、売上高は写真の販売額となり、費用としてカメラマンに対する報酬費用(撮影代)や主催者側に支払う撮影協賛金、プリント費用、発送費用、システム維持費用などが含まれ、粗利益率で見れば約50%の水準となっている。従って、売上高についてはイベント数やイベント参加者数の増減によって影響を受けることになる。
撮影するイベントはスポーツイベントや学校などの年間行事、地域のお祭りや音楽イベントなど多種多様だが、領域ごとに専門サイトを作ることで、顧客の利便性を高めている。2014年6月期の売上構成比で見ると、スポーツ領域が58%と過半を占めており、次いで教育領域が25%、文化領域が17%となっている。
スポーツイベントでは約70種目、年間5,000大会を超えるスポーツイベントの撮影を実施している。主な種目としてはマラソンや自転車、ダンス、サッカーなどがあるが、なかでも大規模なマラソン大会や自転車大会では約9割のシェアを握るなど、デファクトスタンダード化している。インターネットによる写真販売という新たなビジネスモデルにいち早く着目し、先行的に市場を獲得してきたこと、また、同時に高品質な写真を撮影するプロのカメラマンの契約数を同時に拡大させてきたこと、などが成長要因につながっているとみられる。
なお、カメラマンの契約数は2014年6月末段階で1,445名、2014年6月期の掲載イベント数は13,705件と順調に拡大している。
○フォトクラウド事業
フォトクラウド事業は、写真事業者向けに同社のシステムを提供するサービスとなる。契約した写真事業者が学校や結婚式場などのイベントで撮影した写真を、同社の学校写真専門サイト「スナップスナップ」やウェディング専門サイト「グロリアーレ」に掲載し、同社が注文を受け、発送・決済する流れとなる。
収益構造としては、通常のASPサービスと違って月額のシステム利用料金は徴収しないため、売上高は写真の販売額のみとなる。一方、費用としては、システム維持費用やプリント・発送費用などのほか、写真事業者に販売額の一定料率を支払う撮影協賛金が含まれる。固定費としてはシステム維持費用のみであるため、費用の大半は変動費となっているところが、インターネット写真サービス事業との大きな違いとなる。学校写真や結婚式などは毎年、一定のイベント数が見込まれるため、天候によって左右されるスポーツイベントとは違って、安定した需要が見込まれる事業と言える。
売上高に関しては、写真事業者との契約数拡大とともに増えていくことになるが、とりわけ、学校領域においてはEC化率がまだ全体の7〜8%と低く、普及率の上昇も今後のプラス要因となってくる。2014年6月期の売上構成比では教育領域が51%と初めてウェディング領域を上回るなど、今後の成長市場として注目されている。粗利益率は20%とインターネット写真サービスと比較して低くなるが、大半が変動費で占めるため、逆に収益の安定性に関しては極めて高いビジネスモデルとなっている。
なお、2014年6月末時点での契約写真事業者数(教育領域)は1,149社と順調に拡大している。
○広告・マーケティング支援事業
広告・マーケティング支援事業では、同社のWebサイト上におけるネット広告収入のほか、顧客企業の商品と同社が持つ資産を組み合わせたマーケティング支援サービスなどを手掛けている。現時点では、インターネット広告収入が大半を占めるため、費用はほとんどかからず収益性は高くなっているものと思われる。
特に、ここ最近強化している取り組みとして、イベントで撮影した写真のなかに含まれる様々なデータを活用したデータベース・マーケティング事業が挙げられる。具体例としては、マラソン大会で撮影された写真から参加者がどのようなシューズや衣類などを使用していたかをデータベース化し、メーカーのマーケティング支援に役立てている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<FA>