ワールドホールディングス Research Memo(4):ファクトリー事業と不動産事業が増益をけん引
[14/09/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■2014年12月期第2四半期業績
(2)事業セグメント別動向
○ファクトリー事業
ファクトリー事業の業績は、売上高が前年同期比20.1%増の11,744百万円、セグメント利益が同143.1%増の915百万円となった。前述したように電子部品・材料メーカー向けやeコマースの物流拠点向け案件が前年同期比で6割を超える大幅増収となったほか、新たに機械・物流企業向けの新規大型案件を獲得するなど、新規顧客の開拓も順調に進んだ。特に、大型案件では500名以上の人員が必要なことから、人員の確保能力が重要で、ワールドホールディングス<2429>の実績や人材の採用力が評価されて新規顧客獲得が進んだものとみられる。
一方、利益面でも、現場における原価低減活動が進んだことや、低採算案件が減少したことなどで、大幅増益となった。請負業務案件でコストの安い地元企業からの派遣を取り込んだことも、原価低減や採用募集費の抑制につながった。これらの要因により、セグメント利益率は7.8%とここ数年では最高水準に達している。
○テクノ事業
テクノ事業の業績は、売上高が前年同期比17.4%増の4,149百万円、セグメント利益が同16.1%増の291百万円と順調に拡大した。情報通信サービスや電気電子分野向けを中心に設計開発案件の売上が好調だったほか、長らく低迷していた半導体業界向けも半導体の生産増に伴って工場の生産技術案件の売上が回復した。特に、設計開発人員に関しては、需要拡大に対応する格好で在籍人員も大幅に増強したが、稼働率がほぼ100%に近い水準になるなど繁忙状況が続いた。また、リペア事業については、来期以降の成長を見据えて人材育成に注力した。
○R&D事業
R&D事業の業績は、売上高が前年同期比9.6%増の1,960百万円、セグメント利益が同66.6%減の32百万円と増収減益となった。医薬・バイオ、化学業界向けを中心に派遣案件が伸び、売上高は増収基調を継続した。一方、DOTインターナショナルで展開する臨床受託試験事業において人材の採用を前倒しで進めたことで研修費用など先行投資的な費用が増加したことが減益要因となった。これらの人員については戦力化するまでに半年超の研修期間が必要となるため、収益に貢献するのは来期以降となる見通しだ。
○セールス&マーケティング事業
セールス&マーケティング事業の業績は、売上高が前年同期比33.0%増の1,212百万円、セグメント利益が同32.8%減の19百万円となった。アパレル店舗への販売員を派遣するCB事業は新規顧客の開拓も進み、売上高、利益とも堅調に推移した。一方、前期後半からスタートしたコールセンターへのオペレーター派遣事業で、事業基盤拡大のための先行投資を積極的に行ったことが減益要因となった。なお、コールセンターの拠点数は6拠点となり、人員も今期に入って急速に拡大している。
○その他事業
その他事業の業績は、基本的に新規投資案件がメインの事業のため、売上高が前年同期比15.1%減の312百万円、セグメント利益は58.3%減の20百万円と、同社の事業の中では唯一減収となった。パソコンスクール等の教育事業やソフトウエア販売事業は伸長したものの、それ以外の事業が伸び悩んだ。
○不動産事業
不動産事業の業績は、売上高が前年同期比28.2%増の7,252百万円、セグメント利益が同49.3%増の815百万円となった。首都圏において新築マンション及び新築戸建住宅で38戸、東北圏においては新築マンション54戸の計92戸を完売し(前年同期は76戸)、売上高は4,104百万円と順調に拡大した。そのほか、宅地等の不動産販売が2,904百万円、販売受託等で244百万円の売上高を計上した。
売上高、利益ともに期初計画を上回ったが、これは不動産ニーズを捉え宅地等の販売を機動的に進めたことや、新築マンションを短期間で効率的に販売したことと、これにより販売費用が抑えられたことなどが要因である。
なお、第2四半期末の販売用・仕掛用販売不動産残高は16,485百万円に積み上がっている。事業推進中物件の工事進捗や首都圏で6件、東北圏で1件の事業用地を仕入れたことが要因である。
○情報通信事業
情報通信事業の業績は、売上高が前年同期比7.5%増の7,391百万円、セグメント利益が同11.1%減の235百万円となった。スマートフォンの販売台数は堅調に推移したものの、競争激化に対応するため店舗のスクラップ&ビルドを行っており、改装費用などの増加が減益要因となった。なお、第2四半期末の直営店舗は68店舗(前期末65店舗)、代理店は93店舗(同94店舗)となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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