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アイ・エス・ビー Research Memo(13):今中期経営計画の質的な達成状況に注目

注目トピックス 日本株

■中期経営計画と次代の成長を担う新事業

(3)次期中計の方向性

アイ・エス・ビー<9702>は2015年12月期で現中計が終了した後、次期中計を策定する方向である。その詳細は、当然ながらまだ何も決まっていないが、次期中計に何を盛り込もうとするかの青写真的な構想を経営者トップである若尾逸雄(わかおいつお)代表取締役社長に取材することができた。

まず次期中計は、創立50周年を意識して、5か年計画になる可能性があるということだ。より長期的視野に立って経営を行うという点では、3か年よりも5か年の方がふさわしいかもしれないが、一方で、計画の立て方や精度においてははるかに難易度が上がり、進捗の管理も難しくなって、毎年目標値を改定するような状況になる可能性もある。

若尾社長はまた、50周年時点での業績目標の作り方も難しいとしている。創業者から受け継いだ夢や大きな目標をどの程度まで織り込むか、今・来期の収益規模を考慮しながら決めていきたいとしている。一方で、中期目標値はそれなりに大きなものとしたい意向も有しているようだ。現状からの有機的成長に加えて、M&Aも活用して、目標を実現して行きたいとしている。M&Aについては、札幌システムサイエンスやノックスデータの子会社化の成功で自信を深めたものと思われる。

M&Aについてはこれまでは非上場の中小規模の企業の買収だったが、上場企業(と言っても規模は限定されようが)を対象とした検討もおこなっていきたいとしている。ただし、相手選びにおいては、自社の現有の事業との相乗効果や発展性などを最大限重視する姿勢には変化がないとしている。

現時点で次期中計を論評することはできないが、若尾社長への取材から最も印象が強かったことは、次期中計で一段の業容拡大を実現しようという意欲の強さだ。それは今中計において、2011年12月期の営業赤字から回復しただけでなく、収益性の回復や、Wi-SUNに代表されるような次世代の成長事業を確立しつつあることが背景にあるものと思われる。次期中計がどんな形のものとなるにせよ、今中計の達成具合その成否に多大な影響を及ぼすのは間違いなく、とりわけ質的な達成状況は要注目と弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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