ボルテージ Research Memo(12):2015年6月期はサスペンスアプリなどに広告宣伝費を積極投入
[14/10/10]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■財務分析と業績見通し
(3)2015年6月期見通し
2015年6月期についてボルテージ<3639>では、売上高11,500百万円(前期比14.1%増)、営業利益600百万円(同2.6%減)、経常利益600百万円(同7.1%減)、当期純利益300百万円(同2.8%増)と予想している。
売上高の2ケタ成長の一方で、営業利益以下が前期比横ばい予想の理由の1つは、同社が「先行投資」として広告宣伝費を積極投入する計画のためだ。広告費の積極投入対象は、好調なスタートを切ったサスペンスアプリや海外向けアプリだ。サスペンスアプリについては2014年8月からテレビCMを開始しており、その後の好調なダウンロード数増加につながっている。CM費用の回収期間については、これまでは12ヶ月を基本としてきたが、今期からは10ヶ月に短期化する方針だ。逆に言えば、足元の主力タイトルの販売がそれだけ好調と見ることもできる。その他の費用増加の要因としては既存・新規の恋愛ドラマアプリのネイティブアプリ化への費用などが予定されている。
新タイトルは、サスペンスアプリが9月に1タイトルを追加投入されたほか、今期中にさらに1タイトルの投入を計画している。恋愛ドラマについては2、3ヶ月ごとに1タイトルの新規投入ペースを維持する計画だ。注目される米国子会社の収益見通しについては、特に情報開示はなされていないため、OS系プラットフォーム(App StoreやGoogle Play)におけるランキングなどに注目しておく必要があろう。
同社の業態は、新タイトルが計画通りに投入されたとしても売れ行きを予測するのは難しい。テレビCMの積極投入策を打ち出しているため、リスクが高まる印象を受ける向きもあろう。ただ、同社は新タイトル投入と同時にCMを投入するのではなく、売上動向を見ながら売れているタイトルをさらに加速させるというスタンスでCMを投入するため、CM費用だけが膨らんで利益を圧迫する状況に陥るリスクは低いと見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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