THEグローバル社 Research Memo(2):マンション・戸建事業を首都圏で展開、商品企画力に強み
[14/10/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
THEグローバル社<3271>は、マンション、戸建事業を首都圏で展開する不動産総合デベロッパーで、2010年より持ち株会社制に移行している。土地の仕入れから企画、開発、販売、管理までをグループ会社全体で一貫して手掛けており、高い商品企画力に強みを持つ。価格よりも「品質」や顧客ニーズを重視した「商品企画力」を重視しており、他社にはない価値・サービスを提供する「Only One」企業を目指している。有名建築家とのコラボレーション、あるいは総合プロデュースで提供した物件を多く手掛け、顧客からの評価も高い。
現在の事業セグメントはマンション事業、戸建事業、販売代理事業、建物管理事業、その他事業と5つに分けられ、マンション事業と戸建事業の2事業で売上高の9割超、営業利益の8割超を占める構成となっている。各事業セグメントの内容は以下のとおり。
○マンション事業
子会社の(株)グローバル・エルシードで展開するマンション事業は、高品質でデザイン性の高い物件提供を開発理念として、「ウィルローズ」シリーズを中心に、首都圏で新築マンションの企画・開発・分譲を行っている。コンパクトタイプからファミリータイプの分譲マンションを手掛けており、販売価格は3,500〜5,000万円が中心価格帯となっている。
開発実績は2014年6月末時点で70棟(2,626戸)となっており、このうち東京23区で45棟(1,550戸)と約7割を占める。なかでも、中央区で17棟(551戸)と高い実績を持っているのが特徴だ。なお、販売はグループ会社の(株)グローバル住販に委託している。
○戸建事業
子会社の(株)グローバル・キャストで展開する戸建事業は、新築戸建の企画・開発・分譲及び建築請負工事のほか土地分譲を行っている。首都圏を事業エリアとしており、品質及び独創性の高いデザインを重視した商品企画が特徴で、販売価格は3,500〜4,000万円が中心価格帯となっている。販売に関しては(株)グローバル住販に一部委託している。
また、戸建事業では差別化戦略として、定額制注文住宅の「HOUSTYLE(ハウスタイル)」に注力している。「HOUSTYLE」は、間取りや設備機器、内装の色など住宅の主要な部分を顧客の希望に合わせて造る住宅のことで、セミオーダーメイド型の住宅と言える。注文住宅よりも低価格で、かつ建売住宅よりも顧客ニーズを満たせる住宅として、今後の伸びを期待している。
○販売代理事業
子会社の(株)グローバル住販で展開する販売代理事業は、自社グループの開発物件だけでなく、他社デベロッパーからの販売も受託している。他社物件に関しては、自社グループ物件の仕入販売状況を見ながら、受託するかどうかを決めており、同社のなかでは調整弁的な役割を果たしている。主な委託先としては、新日鉄興和不動産(株)、菱重エステート(株)などがある。また、2014年3月には同社の開発実績が多い東京・中央区に不動産仲介センターを開設している。日本橋エリアでの買換え層の獲得や、仕入情報の収集を同拠点で行っていく。
○建物管理事業
自社開発した分譲マンション等の建物管理事業を子会社の(株)グローバル・ハートで手掛けている。具体的にはマンションで行われる理事会、総会に関するサポートを行う管理組合の運営などで、管理員を現地に派遣し、清掃作業や現場で生じた様々な問題に対応するための管理員業務、さらには設備の定期的な点検や修繕計画の立案など建物維持管理に関わる業務すべてをサポートしている。自社開発案件の増加とともに、管理戸数も増加していくため、ストック型のビジネスモデルとなる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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