THEグローバル社 Research Memo(3):2014年6月期は大幅増収増益、引渡し戸数も大きく増加
[14/10/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
(1)2014年6月期業績について
THEグローバル社<3271>の2014年6月期の連結業績は、売上高が前期比52.5%増の37,509百万円、営業利益が同46.1%増の2,393百万円、経常利益が同73.9%増の1,813百万円、当期純利益が同91.4%増の1,043百万円と大幅増収増益となった。
超低金利の継続や消費増税前の駆け込み需要などを背景に、主力のマンション事業、戸建事業の販売がいずれも前期比50%を超える大幅増収となったことが主因だ。期初の会社計画比でも売上高は若干未達となったものの、販売期間の短縮などにより、販売費用が計画を下回ったことで、利益ベースではほぼ計画どおりの着地となった。事業セグメント別の動向は以下のとおり。
○マンション事業
マンション事業の当期売上高は前期比53.7%増の21,782百万円、営業利益は同51.8%増の2,369百万円となった。主力ブランドである「ウィルローズ」シリーズがコンパクトタイプ、ファミリータイプともに好調に推移したほか、三鷹市との連携大型プロジェクト「IDEO」(170戸)が早期完売するなど、引渡し戸数で596戸と前期の335戸から大幅に増加した。
当期の販売状況としては、物件によって売れ行きに好不調の差が生じたことが特徴的で、人気の高い日本橋エリアや好立地物件、また立地場所が不便でも、独創的な企画をした物件(IDEO等)に関して、早期完売するなど販売が好調だった。一方で、特徴のない平均的な物件に関しては販売面でも苦戦する格好となった。
大型プロジェクトの「IDEO」は、最寄駅から徒歩20分と立地条件は必ずしも良くなかったが、独創性のある商品企画力が好評価を受け、販売好調となった。特に、マンション内における保育施設や用途別ラウンジの設置、最寄駅だけでなく大型スーパーへの往復シャトルバスの整備などが高い評価を受けた。なお、同物件に関しては週刊住宅新聞社主催の2013年度首都圏優秀マンション表彰において、「評価員特別賞」を受賞している。
○戸建事業
戸建事業の当期売上高は前期比52.7%増の14,727百万円、営業利益は同9.2%減の508百万円となった。2012年に町田支店、横浜支店を開設し、営業エリアを拡充した効果が当期においても継続しており、引渡し戸数は410戸と前期の255戸から大幅に増加した。大幅増収にも関わらず、営業利益が微減となったが、これは地価や建築資材の上昇により総利益率が前期比1.0ポイント低下の9.5%となったことが影響している。
○販売代理事業
販売代理事業の当期売上高は前期比44.4%増の1,407百万円、営業利益は同320.0%増の464百万円となった。引渡し戸数は733戸と前年同期の529戸から大幅に増加した。このうち自社開発物件が578戸(前期326戸)と増加し、他社開発物件が155戸(同203戸)に減少した。また、戸建販売も強化しており、当期の自社開発物件のうち24戸は戸建物件となっている。なお、仲介物件に関しては仲介センターの開設もあって、前期の6戸から29戸へ増加している。
○建物管理事業
建物管理事業の当期売上高は前期比22.3%増の291百万円、営業利益は同21.6%増の42百万円となった。自社開発物件の販売戸数増加とともに売上、利益とも着実に拡大している。
○その他
主に収益用不動産の賃料収入からなるその他の当期売上高は、前期比22.2%増の130百万円、営業利益は同14.7%増の71百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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