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■今後の見通し

（2）新サービスの動向

○「まかせてタッチ」
「まかせてタッチ」とは、飲食店で来店客からのオーダーを受ける際に使用する専用端末を、iPadやiPod touchなどの汎用端末に置き換えたサービスのことで、クラウド型POSオーダリングサービスと呼ばれる。2012年秋に発表して以来、テストマーケティングを続けてきたが、今8月からiPadによるPOSサービスの提供を開始し、サービスメニューが揃ったことで、今後の本格拡販に取り組んでいく。

同サービスの特徴は、専用端末と比較して導入費用が約3分の1に圧縮できるほか、メンテナンスコストの削減も可能となるところにある。さらに、一般的に広く普及している端末を使うため、従業員の習熟度も早く、教育研修費用を抑制できるといった効果も期待できる。また、将来的には来店客のスマートフォンから直接オーダーが可能となるサービスや、オーダー情報を利用して接客向上につながるサービスなど、追加機能の拡充も予定している。外食企業では昨今の人手不足や物流、食材コストの上昇により、店舗運営費用の削減が喫緊の課題となっていることから、潜在的ニーズは強いものと思われる。

「まかせてタッチ」の1店舗当たり月額利用料はオーダリングサービスで9,800円、POSサービスで5,000円となる。現状、「まかせてネット」のARPUが20,000円弱であることから、新規サービスとして「まかせてタッチ」の導入が進めば、既存顧客におけるARPUの引き上げ効果は大きいと言えよう。

また、「まかせてネット」では4〜5年ごとのシステム更新時期が契約のタイミングとなるが、「まかせてタッチ」は1店舗からいつでも導入が可能なため、早期に顧客開拓が進む可能性もある。さらには、「まかせてネット」契約のためのフック役としても期待される。

ジャストプランニング<4287>では、直販だけでなく代理店やOEMでの販売も進めていく方針で、2016年1月末までに1,500セットの販売を目標に掲げている。目標達成のためには、既存顧客への導入だけでなく、新規顧客の開拓が重要となってくる。このため、同社では外食企業との販路を持つ代理店やシステム会社との販売提携を年内にも締結し、本格拡販をスタートさせていく考えである。

代理店経由ではチェーン企業だけでなく、従来は同社の顧客ターゲットから外れていた個店（2〜3店舗クラスの個人事業主）の顧客開拓にも期待している。小規模店舗クラスの方が、費用面において「まかせてタッチ」の導入メリットが大きいと考えられるためだ。外食店舗は全国で50万店舗以上あり、代理店やOEM先の開拓など今後の販売戦略次第では早期の収益化も可能となるだけに、今後の動向が注目されよう。

なお、現在30店舗で既に導入されているが、操作性やコスト面など顧客からの評価はおおむね好評のようだ。課題として、Web経由のシステムとなるため、専用端末と比較すると若干レスポンススピードで劣るといった点が挙げられているが、今後システムの改良を進めていくことで、レスポンスの向上は可能と同社ではみている。

○「AppCRM」
「AppCRM」は、スマートフォン用アプリを用いた販促・顧客管理サービスである。現在、メルマガなどを使って集客活動を行っている外食企業にとっては、同サービスを使うことで、コストアップなしに販促・顧客管理などを手軽に、かつ効果的に行うことが可能となる。

2014年1月期はソフトウェアのバグが発生したことにより、新規の営業活動をストップしていた。現状はバグの問題こそ解決したものの、同様のサービスを安価な料金で提供する競合企業が増加したことで、苦戦しているのが実情である。このため、同社では販売戦略の大幅な見直しを行う予定としている。具体的には、初期費用として30万円、月額費用9.8万円（10店舗以上の場合）という料金設定を見直し、当初は無償提供で顧客数を増やし、ダウンロード数が一定水準を超えてから課金するといった方針に改めていく方針である。ただ、現状では競争の激しい分野であることから、同社サービスのなかでの優先度は低くなっており、今後は「まかせてネット」契約のためのフック役としての位置付けとなりそうだ。

（執筆：フィスコ客員アナリスト　佐藤　譲）




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