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アデランス Research Memo(6):EBITDAと実力ROEの浸透で株価バリュエーションに改善期待

注目トピックス 日本株

■業績と財務分析

(1)財務分析

2014年2月期末のROE(自己資本利益率)は13.0%と、日本企業の中では高い部類に入る値を達成した。しかしながら、2015年2月期末は11.7%に低下すると弊社では試算している。2015年2月期は、当期純利益が税効果会計の適用という要因で押し上げられていることを考えると、アデランス<8170>の実力のROEはもっと低いのではないかと見る向きもあろう。しかし、弊社の考え方は少し異なる。

同社の財務分析・評価を行ううえで判断を難しくしているのは、減価償却費(無形固定資産やのれんの償却費も含む)の存在だ。同社は積極的なM&Aを通じて将来に向けた成長の布石を打っているため、今期も含めて当面は営業利益以下の各利益項目で利益率が低く出てくることになる。同社自身はそのため、営業利益と減価償却費の合計であるEBITDAを経営指標として重視している。

2015年2月期のEBITDAマージンは11.3%となり、売上高営業利益率5.5%の約2倍となる。EBITDAに実効税率35%をかけると、特殊要因などを除いた実力ベースの当期純利益の推計値を求めることができる。2015年2月期はこの値が5,426百万円となり、この値を用いて試算したROEは14.3%ということになる。当社ではこの14.3%が同社の実力ROEであると考えている。しかしながら、現状の同社の株価バリュエーションを見る限りは、このような評価はされていないようだ。今後、同社のEBITDAマージンや実力ROEの高さについての理解が浸透すれば、株価バリュエーションもさらに改善されていくものと期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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