パイプドビッツ Research Memo(3):レンタル方式でプラットフォーム及び関連アプリケーションを提供
[14/11/12]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■会社概要
(2)事業内容
(製品概要)
パイプドビッツ<3831>の主力事業を一言で言えば、自社開発した「SPIRAL」と言うプラットフォーム及び関連したアプリケーションソフトを、売り切りではなくレンタル方式(月額課金方式)でユーザーに提供することである。ソフトウェアの階層(レイヤー)の中で「SPIRAL」の位置付けをわかりやすく示すと図のようになり、クラウド型ミドルウェアとも言える。
一般的に多くの企業は業務上のシステムなどを構築する際に、開発・運用のためのハードウェアや基本ソフトウェア(OS)、開発環境(ツール)、データベース、ミドルウェアなどを自社で購入し(または開発委託し)、それらを組み合わせてシステムが稼動するための基盤(プラットフォーム)を構築する必要があり、さらに開発後もそれらを維持する手間(コスト)も必要であった。しかし同社の開発した「SPIRAL」は、開発ツールが搭載されているので各種アプリケーションを簡単に開発することができるだけでなく、データベースも内蔵しているため「SPIRAL」に格納された顧客データなどの情報資産を各アプリケーションで共有して利用することが可能になる。また、これらのアプリケーションやデータ類を簡単に複製したりデリバリーしたりすることもできる。ここがパッケージ型ソフトと大きく異なる点(優位性)である。
このため顧客企業は、「SPIRAL」を利用することでアプリ開発のコストを大幅に削減すると同時に、情報の運営(利用)・管理を簡単かつ一括して行うことができる。さらに従量制の月額課金型プラットフォームであることから、コスト削減にも役立っている。「SPIRAL」の導入企業は、大手金融機関を始めとする著名な企業が顧客に名を連ねている。
昨今のIT業界では多くのサービスが「クラウド型」で提供されており、これらのクラウド型サービスは提供される内容によって様々な呼び方をされている(図参照)。同社の「SPIRAL」は「PaaS」(Platform as a Service)と呼ばれる分野に属する。
(主要製品の内容と価格)
上記のように同社の主力製品は「SPIRAL」というプラットフォーム環境なので、これを利用する主要顧客は自社の業務用ソフトなどを社内開発する大手企業や街の中小企業向けなどに開発を行う中小SIer(システムインテグレーター)である。さらに同社は、この「SPIRAL」を使って特定業界やユーザー向けに同社自身でアプリケーションを開発し、これらの販売も行っている。このような主要製品はパッケージ販売(売り切り)ではなく、すべてクラウド(月額課金)型で販売されている。以下は主要製品とその月額価格(最低料金)である。
言うまでもなく同社の事業モデルでは、有効(有料)アカウント数が増えることが売上増につながる。ただし、下記に述べる料金はあくまで基本料金あるいは最低料金であり、実際は利用するデータ量によって料金が変わる(従量制)ため、単純にアカウント数×基本料金=売上高とはならないが、売上動向を見るうえでは有効アカウント数は重要な指標である。
SPIRAL(スパイラル):同社の主力製品。基本となるプラットフォームでデータベース、開発環境、実行環境などを内蔵している。月額25,000円から。
SPIRAL PLACE(スパイラル プレース):クラウド型のグループウェアで、Webサイトの作成・更新機能を持ち、同時にSNSとも連携している。グループウェアとしてカレンダーやファイルを共用化しながら、簡単な操作でWebコンテンツの改善・更新やアクセス解析を行うことができ、FacebookやTwitterにもリンクしている。従業員を大量に抱えるチェーン店などから高い評価を得ている。基本料金は月額6,000円から。
SPIRAL EC(スパイラルEC):アパレル専用に特化したeコマースのプラットフォーム。アパレル向けECサイトの高級なブランドイメージを追求しながら、同時に更新作業手順を簡素化し、しかも低予算に押さえるといういくつかの課題を同時に解決できる点が業界からは高く評価されている。利用料は流通額の5%を最大とした従量制。
ネットde会計・ネットde青色申告:中小企業や個人事業主を対象としたクラウド型の会計サービス。中小企業の決算事務ではブランドを築きつつある。2011年9月に事業を譲り受け、販売を開始した。
スパイラルアフィリエイト:広告主のアフィリエイト広告の導入や運用にかかる負担や課題を軽減するアフィリエイトASP一括管理サービス。初期費用無料など、SPIRALユーザー限定の特典がある。
その他:後述するような特定の分野や業種向けのアプリケーションがある。価格は月額数百円から数千円。
(事業セグメント)
以上のような主力製品を中心に、同社では事業セグメントをいか図のように分類している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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