インテリックス Research Memo(2):中古マンション再生流通事業が柱、仕入れ・販売の事業期間を重視
[14/11/13]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
(1)事業セグメント
インテリックス<8940>は中古マンションを戸別に仕入れ、リノベーション(再生)した後に、再販するリノベーションマンション事業を収益の柱としている。
事業セグメントとしては、中古マンション再生流通事業(リノヴェックスマンション事業)とその他不動産事業とに区分されているが、直近5期間の事業セグメント別の売上高、売上総利益の推移を見てもわかるとおり、全体の8〜9割程度を中古マンション再生流通事業で占める構成となっている。
○中古マンション再生流通事業
中古マンション再生流通事業には、リノヴェックスマンション販売のほか、マンションによる賃貸収入、その他収入が含まれているが、その比率は1〜2%であり、大半はリノヴェックスマンション販売となる。
事業の流れを簡単に説明する。まず、不動産仲介会社から入ってくる中古マンションの売却物件情報の中から、採算の見込める良質な物件を仕入れる。その後、最適なリノベーション(再生)プランを作成し、子会社の(株)インテリックス空間設計で設計・内装工事を施した上で、再度、不動産仲介会社を通じて販売する流れとなる。同社では物件を仕入れてから販売までの事業期間を重要視している。100〜110日を目安に、これよりも期間が長引くようであれば、販売価格の調整を行い、早期に売り切る方針としている。販売在庫の滞留期間が長期化すればするほど、収益性が低下するリスクも上昇するためだ。
仕入販売先に関しては大手不動産仲介会社のほか、各地域の不動産仲介会社が主な販売先となるが、市場のトレンドを把握するため、一部の物件は子会社の(株)インテリックス住宅販売を通じて最終顧客に販売している。また、内装工事に関しては、現在はすべて外注しており、40社弱の下請け会社に発注を行っている。
販売エリアは首都圏を中心に展開している。エリア別構成比で見ると、東京23区内と神奈川県で全体の80%弱を占めており、居住エリアとして人気の高い地域を中心に展開しているのが特徴だ。また、同社が取り扱う中古マンションの平均築年数は約20年で、仕入価格の平均は14〜15百万円、リノベーション後にリノヴェックスマンションとして販売する平均価格は21〜22百万円となっている。
リノヴェックスマンションの販売戸数はここ数年、1,100戸前後の水準で推移している。直近のピークである1,504戸(2008年5月期)の水準にはまだ届かないが、堅調に推移していると言えよう。2014年5月期に関しては、収益性を重視した物件仕入を行ったことで販売件数は前期比で減少したが、逆に売上総利益率は10.2%から13.7%と大きく改善している。消費増税前の駆け込み需要など、不動産市況が活況を呈し、販売面で追い風が吹いていたことも収益性向上の背景として挙げられる。なお、同社では12〜13%を適正な売上総利益率の水準と考えている。
○その他不動産事業
その他不動産事業には、オフィスビルや戸建、土地の売買及び賃貸不動産収入、その他収入が含まれる。コア事業ではないものの、収益性が見込める好物件があれば、オフィスビルや戸建ての仕入販売なども同社では行っている。このため、同事業は不動産物件の売却案件の有無によって、売上高の変動が大きくなる傾向にある。また、今後の注力分野である内装工事請負事業はその他収入の中に含まれている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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