あらた Research Memo(1):物流部門や間接業務の効率化で収益性は確実に向上
[14/11/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
あらた<2733>は日用雑貨・化粧品カテゴリーにおける国内最大級の卸商社である。子会社にはペット関連商品卸で業界トップのジャペルやファッションあらたなどを抱え、海外では中国、タイに進出している。中期3ヶ年計画として、2017年3月期に連結売上高670,000百万円、経常利益6,700百万円を目標として掲げ、「次世代型卸商社」として更なる進化を遂げるべく、構造改革に取り組んでいる。
2015年3月期第2四半期(2014年4-9月期)の連結業績は、消費増税の反動減で売上が低調に推移したことに加え、主要仕入先の1つであった日用品メーカーの白元(2014年5月に民事再生法の適用を申請)に関わる貸倒引当金を計上したことで、売上高が前年同期比1.6%減の316,092百万円、営業利益が同52.1%減の807百万円と減収減益となった。ただ、消費増税や白元の影響を除いた実質ベースの収益は売上高、利益ともに前年を上回っており、物流部門や間接業務の効率化など生産性改善に向けた取り組みにより、収益性は着実に向上していると言えよう。
2015年3月期の連結業績は売上高が前期比4.1%減の625,000百万円、営業利益が同35.2%減の2,900百万円と8月時点の業績予想を売上高で15,000百万円、営業利益で600百万円下方修正している。夏場の天候不順の影響で季節商材の販売が低調だったことや、足元の消費動向を考慮した保守的な計画になっているとみられる。なお、白元についてはアース製薬<4985>の子会社が受け皿会社となったことで、今後も取引関係は継続する見通しだ。
2016年3月期以降は、消費税再引き上げや円安進展に伴う物価上昇懸念など市場環境の不透明感が続くものの、販売地域・チャネルの範囲拡大や既存顧客内でのシェア拡大、商材ジャンルの拡大などを推進していくほか、物流機能や間接業務の効率化が一段と進むこと、白元の影響がなくなることから、増収増益に転じることが予想される。
■Check Point
・広域に張り巡らされたネットワークから膨大な情報を収集
・2015年3月期は営業戦略の確実な実行で売上高の拡大を目指す
・売上高の拡大施策としてインターネット流通市場への取り組みも強化
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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