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ダイヤモンドダイニング<3073>独自のブランドマネジメントなど5つの強み

注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』11月17日放送において、ダイヤモンドダイニング<3073>を取り上げている。主な内容は以下の通り。

■会社概要
ダイヤモンドダイニング<3073>は、首都圏を中心に多業態展開による飲食事業を主力とするとともに、ダーツやビリヤード、カラオケなどのアミューズメント事業も手掛けている。保有ブランドの多様性を活かしたブランドマネジメント制と好立地に集中的に出店するドミナント展開などに特徴がある。現在の店舗数233 店舗(海外8 店舗を含む) に対して、業態数79 は同業他社の中で群を抜いている。また、山手線沿線内には居酒屋業界トップクラスの161 店舗を出店している。

「世界No.1 のエンターテイメント外食企業グループ」をビジョンに掲げ、「コンセプト」「空間」「ストーリー」を重視した独自の発想による業態開発力には定評があり、「VAMPIRE CAFE」や「アリス」など個性的な人気ブランドを創出してきたことや積極的なM&A による規模拡大がこれまでの同社の成長を支えてきた。

事業セグメントは、「九州 熱中屋」や「わらやき屋」など高収益ブランドを軸とした飲食事業と「バグース」ブランドによるアミューズメント事業のほか、「やきとり○金」及び「九州 熱中屋」ブランドによるライセンス事業の3 つに分類される。飲食事業が、売上高の73.5%、営業利益(調整前) の65.5% を占めている(2015 年2 月上期実績)。

■5つの強み
・独自のブランドマネジメントによる収益の安定と成長の両立
業態開発力を活かした保有ブランドの多様性は、環境変化への機動的な対応や主力ブランドのライフサイクルの分散を図ることで、収益の安定と持続的な成長の両立を実現するものである。同社のブランドポートフォリオは、ブランドごとの特性やグループ内の役割から「業態創出と人材獲得・育成によるブランド創造」「多店舗展開によるスケールメリット追求」「フラグシップブランド等によるコーポレートブランディング」と明確化されている。
店舗それぞれで役割及び特性が異なるほか、客単価設定や出店方針も差別化することで、ブランドポートフォリオの最適化が図られている。

・ドミナント展開による効率性及び回遊性の向上
同社は、保有ブランドの多様性を活かしたドミナント展開を基本としている。好立地への集中出店は、集客面で有利であることに加えて、物流コストの削減など効率性を高めることが可能となる。特に、同社の場合は、ブランドの役割や特性が異なることから、ブランド間競合が少ないうえに、ブランド間で顧客の回遊性を高める相乗効果が発揮されている。今後は、地方の中核都市へ出店エリアの拡大が考えられるが、そこでもドミナント出店を基本に据える方針のようだ。

・独自のコンセプトに基づく個性的な店舗づくり
「世界No.1 のエンターテイメント企業グループ」をビジョンに掲げる同社にとって、独自の発想による業態開発並びに店舗づくりの重要性に変化はない。「コンセプト」「空間」「ストーリー」を重視した個性的な店舗づくりやスタッフが歌を唄い顧客を熱狂させる「宴」の演出は、他社との差別化要因となっている。同社の既存店売上高が、厳しい業界環境の中で比較的好調であるのは、固定ファンの心をつかんでいる証左と言えよう。また、松村氏の故郷である高知県よさこい祭りに参加して「審査員特別賞」を受賞するなど、メディア戦略を含めた話題性の提供やブランドイメージの醸成にも積極的に取り組んでいる。

・顧客を囲い込むCRM 戦略
同社は、「24 時間オンラインシステム」「即飲みアプリ」「予約コールセンター(宴会コンシェルジュ)」等の仕組みで構成されるCRM 予約管理システム(以下、当システム) を構築している。「24 時間オンラインシステム」では、インターネット上で24 時間予約が可能なほか、「即飲みアプリ」ではアプリ上でエリアと条件を選択するだけで、空席中の同社飲食店から約90 秒で電話が入り、予約を確定することができる。「予約コールセンター(宴会コンシェルジュ)」では午前8 時から午後23 時までコールセンターでの対応を受け付けており、希望条件に合った店舗を紹介してもらうことができる。

・充実した人材育成体制の確立
独自のコンセプトに基づく業態を展開する同社にとって、経営理念及びビジョンの共有は最重要事項である。同社は、全社員が集う「DDG コンベンション(社員総会)」を3 ヶ月ごとに開催するとともに、社内報を2 ヶ月ごとに発行することで理念浸透に取り組んでいる。また、「スマイルプロジェクト」などによる組織力向上や、「外部研修」などによるスキルアップにも積極的に取り組んでおり、人材不足が成長のボトルネックとして懸念されている業界において長期的に人材育成を行う基盤を確立している。特に、「スマイルプロジェクト」は、iPad mini を使用した「近代的教育システム」であり、アルバイト個々に用意された教育カルテを使って進捗管理を行うことができるとともに、模範となる動画を見せることで実践的な指導に役立てている。このシステムの導入によりアルバイトの定着率が大幅に改善しているようである。

■業績推移
過去の業績を振り返ると、店舗数の拡大が同社の成長をけん引してきた。特に、M&A による規模拡大が出店ペースに拍車をかけてきた格好である。一方、2013 年2 月期から売上高の伸びが鈍化しているのは、不採算店舗の閉店やブランドマメジメント制導入に伴うブランドの集約及び統合により、店舗数が頭打ちになっていることが要因である。同社は、2014 年2 月期でブランド集約及び統合が一巡したことから、2015 年2 月期より再び高収益ブランドを軸として出店拡大を図る方針である。

利益面では、2010 年2 月期に過去最高の営業利益を達成し、営業利益率も6.9% の水準にあったものの、その後は既存店売上高の伸び悩みや業態変更に伴う費用増などにより低下傾向にあった。営業利益率は2013 年2 月期2.8%、2014 年2 月期2.9% と3% を下回っていたが、2015 年2 月期は採算性が向上し4.0% が見込まれている。

■2015 年2 月期上期決算は
2015 年2 月期上期(2014 年3 月-8 月期) の業績は、売上高が前年同期比2.7% 増の12,699 百万円、営業利益が同101.9% 増の551 百万円、四半期純利益が同111.3% 増の233百万円と期初予想を上回る増収増益となった。特に、営業利益は期初予想比で357.0% 増、6 月発表の上方修正値との比較でも33.8% 増と大きく計画を上回った。

事業別売上高では、飲食事業及びアミューズメント事業がそれぞれ伸長した。特に、アミューズメント事業において、バグースの既存店売上高が想定以上に好調(前年同期比103.8%)であったことや新規出店(2 店舗) が増収に貢献した。一方、利益面では、出店拡大による初期費用の増加のあったものの、原価率の低いアミューズメント事業の伸びや仕入れ先の集約による原価低減を図ったことに加えて、想定を上回る既存店売上高の伸びが費用増加分を吸収したことで営業利益率は4.3% (前年同期は2.2%)と大きく改善した。

■今期業績見通しは
想定以上に好調に推移している既存店売上高等を勘案して、2015 年2 月期業績予想を期初予想から2 度増額修正しており、売上高を前期比4.6% 増の25,916 百万円、営業利益を同45.4% 増の1,037 百万円、経常利益を同25.8% 増の978 百万円、当期純利益を同79.1% 増の302 百万円と増収増益を見込んでいる。特に、売上高は過去最高を更新する見通しである。

前提となる下期出店計画は、飲食事業で高収益ブランド4 店舗とハワイ1 店舗 のほか、アミューズメント事業でもバグース2 店舗を予定している。また、2014 年10 月には事業譲受により8 店舗(関東圏の九州料理業態) を取得している。既存店売上高(通期) は101.8% を想定しているようだ。

弊社では、2015 年2 月期上期(2014 年3 月-8 月期) の進捗が順調であったことに加えて、事業譲受の8 店舗については業績予想に織り込まれていないことから、少なくても業績予想の達成は可能であると判断している。むしろ、下期(2014 年9 月-2015 年2 月期) の出店計画や繁忙期となる年末商戦が想定どおりに進捗すれば、業績予想を上回る着地となる可能性も考えられる。今後の出退店の状況や既存店売上高の推移にも注目したい。

■成長戦略
成長戦略の柱は、高収益ブランドを軸とした出店拡大と海外展開とみられる。また、ブライダル事業など、新領域への進出も視野に入れているようだ。2014 年2 月期にブランドの集約及び統合が一巡したことから、2015 年2 月期を新たな成長ステージに向けた発射台と位置付けており、東京オリンピックの開催される2020 年までに、売上高50,000 百万円を長期的な目標として掲げている。2014 年2 月期の売上高を基準にすると、年平均成長率は12.4% と算定される。また、海外売上高比率10%、営業利益率8% も目標として掲げている。

弊社では、長期目標達成に向けたハードルは低くはないとみているが、地方の中核都市への出店余地が残されていることや、業界環境が厳しいゆえにM&A の機会が増える可能性があることから、決して不可能な目標ではないと判断している。また、海外展開についても、シンガポールを足掛かりとした東南アジアへの展開、ハワイでの店舗拡大や米国本土への進出などを計画しており、同社の成長を後押しするものとみている。また、ブライダル事業など、M&A を軸とした新領域への進出が新たな価値創造につながる可能性にも注目している。

ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送





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