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アクセル Research Memo(6):5年後の業績目標は売上高18,000百万円、ROE15%

注目トピックス 日本株

■業績目標と成長戦略

アクセル<6730>は中期計画において、5年後の2019年3月期の業績目標として売上高18,000百万円、ROE15%を打ち出している。営業利益では3,000百万円程度となる見通しだ。市場環境としては、遊技機器市場は2019年3月期までに300万台程度の規模に縮小すること、また、グラフィックスLSIのリユース率も20〜30%で推移することなどを前提にしている。同社では、遊技機器市場の縮小が続いたとしても、遊技機器市場での事業領域を深掘りし、市場シェアの拡大を図ることで成長は十分可能とみている。

(1)遊技機器市場での成長戦略

具体的な成長戦略としては、グラフィックスLSIの市場シェアアップ、システムビジネスへの展開、新しい演出周辺製品の開発の3つのポイントを挙げている。

○グラフィックスLSIの市場シェアアップ
遊技機器市場における同社グラフィックスLSIの市場シェアは、約55%と現在でも高いシェアを獲得しているが、今後数年間で更なるシェアアップを目指している。グラフィックスLSIの基本的な機能向上に加えて、生産性の高い開発支援ツールを提供していくことで、顧客の囲い込みを進めていく。

従来も顧客向けに開発支援ツールは提供してきたが、現在開発中の新製品は、パチンコ・パチスロ機向けにより特化したものとなっており、コンテンツづくりの企画段階から、各種機能の開発、全体仕上げに至る多くの開発工程を共有することが可能となっている。このため、顧客側から見れば同社の開発支援ツールを使うことで、開発効率の大幅な向上が期待できることになる。顧客の開発工程を抑えることで、顧客を囲い込み、グラフィックスLSIの市場シェア拡大につなげていきたい考えだ。

○システムビジネスへの展開
システムビジネスとは、これまでのグラフィックスLSI単品での販売でなく、グラフィックスLSIを中核部品としたモジュール製品として、あるいはメモリモジュールも含めたシステム製品として顧客に販売していくことを指す。

顧客側から見れば、グラフィックスLSI単品で調達するよりも、モジュール製品として、あるいはメモリモジュールと合わせたシステム製品として一緒に調達したほうが、調達リスクの低減につながる。メモリ容量は現在、64Gbitまで大容量化しており、グラフィックスLSIとの親和性がますます重要になってきていることや、メモリの調達リスクなども考えると、今後はメモリモジュールも含め、システム製品として調達する傾向が高まると予想される。

同社では2019年3月期までに、グラフィックスLSIの販売数量のうち20〜30%をモジュール製品での販売に切り替えることができれば、グラフィックスLSIのシェア拡大効果と合わせて、売上高18,000百万円の目標達成は可能とみている。

なお、メモリモジュールも含めたシステム製品の売上高が拡大すれば、利益率は低下することになる。2019年3月期の売上総利益率は38.9%と、今期見込みの43.9%から5ポイントの低下を会社側では想定しているが、増収効果によって売上総利益は7,000百万円(今期見込み4,700百万円)に拡大する見通しとなっている。

○新しい演出周辺製品の開発
その他、遊技機器向けではまだ開拓しきれていない演出周辺製品の開発も進めている。詳細は明かしていないが、遊技機器の様々な演出をより効率的に制御するための製品と思われる。

○対象市場規模は約750億円
同社の推計によれば、遊技機器向けグラフィックスLSI、メモリモジュール、LEDドライバの市場規模は約500億円とみられ、また、その他演出制御システムも含めた対象事業領域全体の規模で750億円程度となる。同社の遊技機器向け売上高は前期実績で100億円強だったことから、遊技機器市場が縮小したとしても、各事業領域におけるシェア拡大によって、売上高の拡大余地はまだ十分にあると思われる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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