ADワークス Research Memo(8):オーナーズクラブで囲い込み、地方の開拓にも注力
[14/12/08]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■成長戦略
エー・ディー・ワークス<3250>は2015年3月期からスタートする第4次中期経営計画を期初に発表している。基本方針としては、「事業規模の拡大と収益基盤の安定化」と「クローズド・マーケットの創造」を掲げている。「クローズド・マーケットの創造」とは、前述したブルーオーシャン型のビジネスモデルにより、高付加価値で低コストのサービスを提供し、競合が少ない現段階において顧客となる個人富裕層を早期に取り込み、参入障壁の高い市場を創り上げていく戦略だ。「クローズド・マーケット」ができれば、そこはブルーオーシャン市場となり、同社の業績も安定した収益性を維持しつつ、持続的な成長が見込まれることになる。
(1)クローズド・マーケット創造に向けた取り組み
クローズド・マーケットの創造に向けた具体的な取り組みとしては、2014年1月に同社が発足したA.D.W.グループオーナーズクラブ「torch」が挙げられる。同クラブは同社が販売した物件オーナーを対象にした会員制クラブで、サービス内容としては専属のプライベートコンサルタントが付くほか、不動産経営診断システム「IEドック」(Investment Efficiency)による無料診断サービスの提供、各種セミナーや交流会等、会員交流を目的としたイベントへの参加が可能となる。
会員数は2014年9月末には150名と着実に増加している。新規オーナーは100%入会しており、顧客囲い込みが着実に進んでいると言えよう。同クラブの会員数目標としては、2017年3月に240名(プロパティ・マネジメントサービスのみの顧客、及び見込み客を含めると300名)を掲げている。
また、新規顧客の開拓を進めるに当たって、新たな取り組みも既に始まっている。同社が未開拓エリアであった地方の個人富裕層の取り込みだ。地方においても富裕層は多く存在しており、運用先として首都圏の投資用不動産に対する関心も高い。ただ、従来は営業リソースが限られるなかで、地方の顧客開拓は事実上不可能であった。そこで、同社は富裕層を顧客に持つ地方銀行と連携することで、顧客開拓を進めていく方針を打ち出した。金融機関においても、顧客に販売する投資運用商品が拡充することのメリットは大きい。現段階でまだ成約実績はないものの、いずれ顧客の開拓に結び付くものとして期待される。
同社が対象とする投資用不動産の国内市場規模は年間で約500億円以上と推定され、今後も年間100〜200億円規模で拡大すると想定されている。前述したように個人富裕層の不動産投資ニーズは、景気の影響を受けにくく安定した需要が見込まれる。また、相続税対策のニーズも今後拡大していくことが予想されるなかで、同社では早期に顧客の囲い込みを進め、参入障壁の高い「クローズド・マーケット」を創り上げていく戦略だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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