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デリカフーズ<3392>2部上場の有望銘柄として注目

注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』12月8日放送において、デリカフーズ<3392>を取り上げている。主な内容は以下の通り。

■注目ポイント
東証2部指数は本日まで14連騰と強い動きになっており、2部上場の有望銘柄として注目。IPOラッシュを控えて、新興市場には換金売り圧力への警戒感が目先は強まる公算、同社のような過熱感が乏しい銘柄は短期資金の受け皿となり得よう。7月の始めの水準と比較して株価はほぼ同位置にとどまっており、足元で上値抵抗線となっている900円レベルを突破すれば、上値妙味も強まる公算。今期の業績変化率が高いほか、バリュエーションからも割高感は感じられない。

■事業概要
同社の事業は、契約農家や市場等から仕入れた野菜を顧客の要望に合わせて加工し配送するカット野菜事業と、仕入れた野菜をそのまま配送するホール野菜事業、その他事業に分けられる。2015年3月期第2 四半期累計の部門別売上高構成比は、ホール野菜が53.2%、カット野菜が35.6%、その他が11.2% となっており、カット野菜の占める比率が上昇傾向にある。スーパーやコンビニエンスストアのほか、最近では人材不足の影響もあり外食業界でも需要が伸びていることが背景だ。

業態別売上構成比では、ファミリーレストランが55.1% と最も高く、次いでファーストフード15.0%、居酒屋11.2% となり、外食産業向けが全体の85.1%、中食産業向けが14.9% といった構成になっている。配送先は全国で約10,000 店舗程度あり、青果物専業の流通企業としては業界で最大規模となっている。

■事業の特徴と強み
同社事業の特徴は、カット野菜の製造で国内最大手企業ということだけでなく、外食産業など顧客企業が繁盛するためのメニュー提案などコンサルティング業務も同時に行っていることが挙げられる。コンサルティングに関しては、同社が10 年以上に渡って取り組んできた野菜の機能性に着目した栄養価に関する豊富な分析データの蓄積がベースとなっており、同業他社ではまねのできない強みとなっている。

もう1 つの強みとしては卸売事業者として、高品質で安全、確実に商品を顧客のもとに配送することが可能な物流体制を全国に構築していることが挙げられる。2014 年2 月に関東を直撃した大雪により、物流網が一時混乱する事態となったが、同社においては、非常時の危機管理体制が迅速に機能し、納入遅延など大きなトラブルを起こさなかったことで、顧客から高い評価を受けた。

さらに、業界では初となるスーパーコールドチェーンを実現した東京第二FS センターの稼働は、新規顧客の獲得に大きく貢献しており、今後新設するセンターはすべてスーパーコールドチェーン対応にする予定となっている。スーパーコールドチェーンとは、野菜の入庫から出荷、配送までの全工程を1 〜 4℃の低温度で管理するシステムであり、野菜の鮮度が保持できるため、カット野菜の賞味期限を従来比2 倍に延長することが可能となった。

■上半期の業績
2015 年3 月期第2 四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比6.8% 増の13,937 百万円、営業利益が同11.8% 増の350 百万円と増収増益となった。期初会社計画比では、売上高が7% 程度上回った一方で、利益ベースでは若干下回る格好となった。

売上高が前年同期比、及び期初計画比で増収となった要因としては、同社が取り組んでいる野菜の機能性研究の成果を活かした提案型営業の強化や、東京第二FS センターの稼働率上昇に加えて、食品の安全確保やリスク管理体制の評価が高まったことによる新規顧客の開拓、並びに既存顧客での取引シェア拡大が想定以上に進んだことなどが挙げられる。

一方、6 月の長雨、8 月の低気温、9 月の台風災害と気象条件に恵まれず、レタスなど一部の葉物野菜の価格が高騰したほか、野菜品質の悪化によりカット野菜も廃棄ロスが増えるなど生産性が低下するなどの影響が出た。人件費については、パート従業員の不足により賃金単価の高い派遣社員を採用していた。物流費に関しても、協力会社が4 月に倒産したことで通常よりもコストアップ要因につながった。これらが業績下振れの背景だ。

ただ、こうした天候条件の悪化や費用増要因があったにも関わらず増益となったのは、増収効果に加えて、グループ全体での原価低減活動が上手く機能したことが挙げられる。実際、売上原価率は前年同期比で0.6 ポイント低下の75.0% となっている。

原価低減効果として特に効果を表したのが、野菜価格高騰時における代替メニューの提案活動、並びに海外調達活動となる。仕入れる野菜の価格高騰局面では一時的に粗利率が低下する要因となっていたが、こうしたリスクを回避するため、同社では価格が高騰していない代替メニューを顧客に提案し、仕入コスト高のリスクを回避した。また、代替メニューに関してはあくまでも一時的な回避策であり、その間に同社がここ数年で産地開拓をすすめてきた海外(台湾、米国、中国など) から当該野菜を調達することで、国内での価格高騰の影響を最小限に食い止めた格好となっている。

■2015 年3 月期業績見通し
2015 年3 月期の連結業績見通しは、売上高が前期比1.4% 増の27,000 百万円、営業利
益が同47.2% 増の739 百万円と期初計画を据え置いている。第2 四半期累計までの売上高の進捗率は51.6% と計画を上回る進捗となっていること、12 月以降も新規顧客として大手外食チェーン数社の売上貢献が始まることなどから、売上高は28,000 百万円を超える可能性が高い。

一方、利益面でも10 月実績が計画を若干上振れたほか、11 月も順調に推移したよう。足元では野菜価格がピークアウトしており、12 月以降に野菜の生育状況や価格に影響を及ぼす大きな気象変動がなければ、会社計画を上回る可能性がある。物流コストも一時的なコストアップ要因が解消されたことで、下期の収益性向上に寄与することが予想される。

なお、同社の主力顧客である外食産業の売上動向を見ると、全体では6 月以降前年同月比でマイナス傾向が続いている。ただ、同社の中で最も売上比率の高いファミリーレストランは引き続き2% 前後の増加が続いている。

■中期経営計画の概要
同社では2013 年3 月期から5 年間の中期経営計画を策定している。中期経営計画の第1 フェーズとなる2015 年3 月期までの3 年間での目標数値は達成する可能性が高く、続く第2 フェーズでは、「次世代型の青果物流通業」「農業と健康を繋ぐ創造企業」として成長戦略を推進していく計画。野菜と米の研究開発への投資、BtoC 市場への参入、海外拠点の設置及び事業展開、コンシューマー(小売企業) 向け商品の開発・参入などに注力していく方針で、業績目標値としては、2017 年3 月期で売上高35,000 百万円、経常利益1,050 百万円を掲げている。

海外市場への展開では、特に中国では、大手財閥系企業や地方行政府なども含めて、カット野菜に対する関心が高い。コンサルティングサービスから始める格好となるが、長期的には現地での工場展開なども視野に入れている。また、BtoC 市場への参入に関しては、カット野菜をベースにタレなども含めたキット商品として、当面は大手スーパーやコンビニエンスストアのPB (プライベート・ブランド) 商品としての展開を予定している。

ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送




<TM>

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