EMシステムズ Research Memo(6):2Qはユニコンの経費負担と先行投資的な人員増で増収減益に
[14/12/16]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
(3)直近期決算
2015年3月期第2四半期累計決算(以下:上期)は、売上高が前年同期比3.7%増の5,132百万円、営業利益は同50.9%減の302百万円、経常利益は同36.5%減の589百万円であった。売上面では既存ユーザーの自社リプレースがほぼ完了した調剤システムが減収となるも、2014年3月期の下期からユニコンを連結した医科システムの寄与で賄い増収を確保したが、利益面ではユニコンの経費負担と先行投資的な人員増で減益だった。上期は計画(売上高5,345百万円、経常利益619百万円)を下回る着地となったが、この主な要因は医科システムが意欲的な計画に届かなかったためと推察される。
事業セグメント別に見ると、システム関連事業は売上高が前年同期比3.4%増の5,053百万円、営業利益はユニコンの販管費負担と先行投資的な人員増で同55.4%減の275百万円だった。
項目別の売上高では調剤システムが前年同期比4.1%減の3,360百万円。この要因は課金ユーザーの積み上げでストック売上が同10.8%増の1,580百万円となるも、フロー売上は自社リプレース一巡に加え新規獲得の減少で同15.1%減の1,862百万円にとどまったため。フロー売上件数は自社リプレースが同344件減の164件、新規獲得は同37件減の196件、他社リプレースは同72件増の213件だった。他方、上期末のストック件数は前年同期末比460件増の12,432件に積み上がっている。
医科システムはユニコンの寄与で前年同期比2.1倍の539百万円。ストック売上はユーザー数がまだ少ないため同90.2%増の78百万円にとどまるも、フロー売上はユニコンの寄与で同2.2倍の460百万円に拡大した。フロー売上件数はユニコン製の従来型売り切りタイプが120件、ASPモデルは同19件減の67件であった。
その他、サプライは消費税増税前の駆け込み需要の反動減で同4.6%減の771百万円、保守サービスはユーザー数の増加で同44.6%増の300百万円などと続く。
その他の事業はスポーツジムや貸会議室運営等が順調に拡大し、売上高は前年同期比14.7%増の115百万円、営業利益は同18.4%増の41百万円であった。
なお、EMシステムズ<4820>は2014年10月1日付でデータホライゾン傘下の調剤システム販売会社コスモシステムズを買収し、下期から連結の予定である。コスモシステムズの事業規模(2014年3月期)は売上高1,094百万円、営業損失49百万円だが、広島県を地盤に四国や九州を中心にユーザー数2,600件を抱えることから、EMシステムズ製ASPモデルへの自社リプレースが見込まれるうえ、これまで手薄だった九州の代理店網を手中にするなど、比較的早期のシナジー発現が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 馬目 俊一郎)
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