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ケネディクス Research Memo(7):安定収益事業への回帰や資産売却による事業の立て直しを進める

注目トピックス 日本株

■決算概要

(2)過去の業績推移

過去の業績を振り返ると、2007年12月期に業績のピークを迎えた後、2008年のリーマンショックに伴う不動産市況の悪化等により、ケネディクス<4321>の業績(営業収益及び営業総利益)は下降線をたどってきた。特に不動産市況の影響を大きく受ける不動産投資事業の低迷が業績の足を引っ張った。一方、アセットマネジメント事業は2008年12月期にインセンティブフィーの縮小等で一度落ち込んだものの、その後は安定的に推移しており、不動産賃貸事業とともに同社の業績を下支えしてきた。また、最終損益は、過去の含み損を抱えた保有不動産(固定資産)の売却損(特別損失)の影響を受けて低迷してきた。

安定収益であるアセットマネジメント事業への回帰や含み損を抱えた資産の売却による事業の立て直しを進めてきたことに加えて、不動産市況の回復等も追い風となって、同社の業績は2013年12月期から回復に転じている。2007年12月期に営業総利益の約19%にすぎなかったアセットマネジメント事業は、2013年12月期には約51%を占めるに至っており、同社の収益構造も大きく変化をしてきた。また、しばらく停滞気味であった受託資産残高も2013年12月期から拡大ペースを加速してきており、新たな成長フェーズに入ったとみられる。

財務面では、保有不動産(販売用不動産及び固定資産)の整理に伴って有利子負債残高の削減が進んできたことから、自己資本比率は年々改善傾向にあり、2013年12月期には48.0%の水準に達している。特に有利子負債に関しては、コーポレートローンの削減を図る一方、新規投資に関してはノンリコースローン※にて調達を行っており、その点からも財務の健全性を高めていると評価できる。

※ノンリコースローンとは、返済の原資とする資産を投資物件等に限定した借入方法である。

一方、資本効率の示すROEは、最終損益の低迷で不安定な推移をしてきた。2013年12月期は3.3%に回復しているが依然十分な水準とは言えない。同社は今後の方針として、資本効率(ROE)を意識した安定成長を目標としていることから、利益成長とともにROEの改善にも注目したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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