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ケネディクス Research Memo(8):好調な不動産市況を背景としてすべての事業セグメントが増収

注目トピックス 日本株

■決算概要

(2)2014年12月期第3四半期(累計)決算の概要

ケネディクス<4321>の2014年12月期の第3四半期(2014年1月-9月)決算は、営業収益が前年同期比63.4%増の19,741百万円、営業利益が同26.3%増の6,281百万円、経常利益が同53.6%増の5,262百万円、四半期純利益が同161.5%増の5,945百万円と大幅な増収増益となった。

すべての事業セグメントが増収となったが、好調な不動産市況を背景として保有不動産の売却が順調に進んだことにより、特に不動産投資事業が大きく伸長した。また、受託資産残高も着実に拡大したことから、アセットマネジメント事業も順調に伸びた。

一方、利益面では、不動産投資事業の構成比の上昇に伴って原価率が上昇したことから、営業利益率は31.8%(前年同期は41.2%)に低下した。なお、四半期純利益の伸び率が大きいのは、長期保有目的の保有不動産の処分による影響(売却益のほうが大きかった)である。過去の含み損を抱えた資産の処分は一定のめどがついたとみられる。

財務面では、REIT向けブリッジファンドなどを中心とした積極的な新規投資で保有不動産が149,622百万円(前期末比55.8%増)に拡大したことに伴い、有利子負債も111,412百万円(前期末比68.7%増)に増加したことから自己資本比率は37.4%(前期末は48.0%)に低下した。

事業別の業績は以下のとおりである。

アセットマメジメント事業は、営業収益が前年同期比21.9%増の6,614百万円、営業利益が同26.0%増の3,840百万円と増収増益であった。受託資産残高の着実な成長により、アセットマネジメントフィーが安定した伸びを示したほか、好調な不動産市況を背景としてインセンティブフィーが大きく伸びた。なお、受託資産残高は2014年10月末現在で1.4773兆円に拡大している。

不動産投資事業は、営業収益が前年同期比120.8%増の6,362百万円、営業利益が同70.9%増の1,904百万円と大幅な増収増益を達成した。好調な不動産市況を背景とした不動産売却益のほか、受取配当金の受領及び自己勘定保有物件の増加で賃貸事業損益が増加した。

不動産賃貸事業は、営業収益が前年同期比78.4%増の7,598百万円、営業利益が同21.7%増の1,750百万円と増収増益となった。自己勘定保有物件の増加に基づく賃貸事業損益の増加に加え、2013年10月に連結子会社化した(株)スペースデザインのマンスリーリース収入や賃料収入が上乗せされたことで賃貸収入が増加した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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