サン電子 Research Memo(7):2Qは減収減益も計画通り
[14/12/17]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■決算概要
(1)2015年3月期の第2四半期決算の概要
サン電子<6736>の2015年3月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比0.8%減の12,557百万円、営業利益が同10.6%減の1,213百万円、経常利益が同8.5%減の1,302百万円、四半期純利益が31.2%増の1,053百万円と、売上高はほぼ横ばいながら営業減益となった。ただし、期初予想との対比では売上高が109.2%、営業利益が137.9%と計画を大きく上回る進捗となっている。前年同期比で四半期純利益が増益となっているのは、受取和解金の計上があったことに加えて、前期計上した持分変動損失が会計方針の変更により計上がなかったことが影響した。
事業別売上高を見ると、モバイルデータソリューション事業は米国を中心に大きく伸長した一方、消費税率引き上げの影響を受けたホールシステム事業の落ち込みが業績に影響を与えた。遊技台部品事業は、非常に好調だった前期と比べ減収となったものの計画を上回る進捗となった。その他事業は、M2M事業が導入実績を増やしているものの、第2四半期業績への貢献には限定的であったことから減収となった。
一方、利益面では、モバイルデータソリューション事業の構成比の高まりから原価率が低下したものの、セレブライト社の事業拡大に伴う費用増(開発スタッフの増員、海外拠点の開設費用等)などにより、営業利益率が9.7%(前年同期は10.7%)に低下した。
事業別の概要は以下のとおりである。
モバイルデータソリューション事業は、売上高が前年同期比31.3%増の5,089百万円、営業利益が同21.4%増の873百万円と大きく伸長した。主要市場である米国において、携帯キャリア及び犯罪捜査機関向けが好調であった。新規需要に加えて、機能の充実した新機種へのリプレース需要の取り込みにより販売台数が伸びているほか、関連サービス(保守等)が業績の伸びに貢献した。また、為替相場(前年同期比で円安)の影響も業績のプラス要因となっている。一方、利益面では、開発スタッフの増員や販売拠点の開設(英国現地法人)など、事業拡大に向けた先行投資的な費用負担からセグメント利益率は17.2%(前年同期は18.6%)に低下している。
その他事業(M2M事業、ゲーム事業)は、売上高が前年同期比21.0%減の559百万円、営業損失が37百万円(前年同期は48百万円の営業損失)と減収ながら営業損失幅は改善した。M2M事業は、エネルギー管理、セキュリティ向け等の導入実績は増加したものの、第2四半期業績への貢献には限定的であったことや、前年同期に大口受注があったことの影響から減収となり利益確保にはならなかった。なお、M2M事業については、これまでの売り切り型から従量課金方式の収益モデルに転換を進めており、来期以降は収益基盤が安定するものと期待できる。一方、ゲーム事業は、前期に開始したコンテンツ配信サービス(スマートフォン向けアドべンチャーゲーム等)の販売が順調に推移した結果、増収増益となった。
遊技台部品事業は、売上高が前年同期比13.7%減の5,282百万円、営業利益が同17.9%減の898百万円と減収減益となった。前年同期が極めて好調であったことから、業績の落ち込みは織り込み済みであったものの、新機種の制御基板の販売が計画を上回ったことから順調な進捗となった。
ホールシステム事業は、売上高が前年同期比16.9%減の1,626百万円、営業損失が84百万円(前年同期は7百万円の営業損失)となった。消費税の引き上げに伴うパチンコホールにおける収益環境の悪化が想定以上に業績に影響を与えた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<FA>