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サンワテクノス Research Memo(3):ユーザーや需要が異なる電機、電子、機械3分野の商材を手掛ける

注目トピックス 日本株

■会社概要

(2)事業の概要

サンワテクノス<8137>は独立系かつ技術系商社であるが、手掛ける商材が電機、電子、機械の3つの分野にまたがっている点に特色がある。これら3分野は、ユーザーや需要のけん引役などがそれぞれ異なっているため、1社でカバーするとなると、製品に対する情報や理解が「広く浅く」なってしまうリスクをはらんでいる。それに対して同社は「広く深く」を志向して実践している。その裏付けとなっている背景には、技術系商社として、理系のバックグラウンドを有する社員を数多く抱えていることなどがある。また、当初は安川電機やダイヘン<6622>の販売代理店として、機械や電機の分野でスタートし、その後「双方向取引」として電子部品を扱うようになるといった具合に、段階を踏んで時間をかけながら3つの分野について知識・経験を積み重ねてきたことなども背景にある。

下の表に3部門の具体的な製品の一覧を掲げた。電機部門の商品にはACサーボモータ、プログラマブルコントローラ、リニアモータ他各種モータ、インバータ、真空ロボットなどがある。機械部門には半導体関連製造装置、産業用ロボット、液晶・パネル搬送用クリーンロボット、医療機器などが含まれている。また電子部門ではコネクタ、半導体、センサ類、LED、LCD(液晶表示装置)、CPUボードなどを取り扱っている。

以上の3部門の製品の属性と需要先で整理したのが下の表である。電機部門の商材は、顧客の製品の部材である。それら部材を使用して生み出される製品は主に産業用機器で、工場における生産設備であるケースが多い。機械部門で扱う商材は、顧客の製造ラインの設備の完成品である。したがって、機械部門の商材と、電機部門の商材とは需要ドライバー(けん引役)が企業の設備投資であるという点で共通している。

電子部門の商材は顧客が工場で製造する製品の部材である。この点では電機部門と共通しているが、出来上がる製品が民生用機器の最終製品であったり、半完成品であったりするケースが多い。したがって、電子部門の商材の需要動向を左右するのは、企業の生産活動や個人消費動向ということになる。

3部門の関係を、LCD(液晶)を例に説明する。液晶製造工場には、様々な種類の製造装置が設置されている。これらの製造装置そのもの(例えばガラス搬送用ロボット)を取り扱うのが機械部門である。一方、ガラス搬送用ロボットのメーカーに対して、そのパーツであるモータ類を販売するのは電機部門だ。さらに、液晶工場で生産された小型液晶パネルを携帯電話メーカーに販売するのは電子部門ということになる。同社は3分野にまたがって事業を展開しているため、液晶パネルという1つの製品について、川上(製造装置の部材)から川下(最終製品)まで商流のすべてをビジネスの対象とする事業モデルとなっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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