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TOKAIHD Research Memo(9):アクア事業は、2017年3月期に初の黒字化を計画

注目トピックス 日本株

■新中期3ヶ年計画

(4)主力事業の見通し

TOKAIホールディングス<3167>の中期計画における主要サービスの営業利益計画はグラフのとおりとなっており、見通しの前提は以下のとおりとなる。

○LPガス事業
LPガス事業は、同社の中核事業であり国内では第3位の顧客基盤を保有している。うち静岡県ではトップシェア(18.6%)、関東エリアでは6.3%のシェアを持つ。LPガスの市場見通しは、人口の減少や省エネ志向の高まりを背景に、家庭用単位消費量で年率1.8〜2.0%減少を想定。また、市場環境としては同業者との競争激化が続くことを想定し、業界の再編・集約化が進むとみている。

2017年3月期の営業利益は2014年3月期実績比5億円増の44億円を計画。内訳は、家庭用単位消費量の減少で8億円の減益を見込む一方で、顧客件数の増加分(+3万件)で9億円、共同配送の取り組みや、関東・静岡での間接部門の統合など合理化効果で8億円の増益を見込んでいる。

営業戦略としては、リテールサービス事業で共有した情報を活用し、顧客件数の拡大や、追加契約に向けた営業を進めていく方針としている。

○ブロードバンド事業
ISP(インターネットサービスプロバイダー)事業者として、静岡県では27.4%とトップシェア、関東エリアでは4.4%のシェアを持つ。市場見通しは、有線ブロードバンド市場が2016年3月期をピークに成熟市場に入ると想定。また、NTTの光回線卸売の解禁により競争の激化が進むとみている。

2017年3月期の営業利益は、2014年3月期実績比で5億円増の38億円を計画。家電量販店大手3社における顧客獲得基盤を活かして、顧客件数を3年間で8万件増加させるほか、ISPシステムを刷新し、現在運営している「@T COM(全国エリアを対象としたISP)」「TNC(静岡県に特化したISP)」の2つのブランドのバックヤード業務の効率化を進めることで、計画達成を目指す。

○CATV事業
CATV事業者として売上高は全国2位。ホームパス107万件に占める放送加入率47%と地域メディアとしての地位を確立している。市場環境としては、大手通信事業者との放送サービス競合で価格競争が続くことを想定している。

こうしたなか、2017年3月期の営業利益は2014年3月期実績比で3億円増の21億円を見込んでいる。携帯電話会社との提携(スマホ割)をテコにCATV通信サービスの顧客件数を3万件純増させるほか、放送サービスもマンション等の集合住宅向けに、集合バルク方式による「放送基本料無料プラン+付加サービス」の提案を進め、新規顧客の獲得を進めていく。

○アクア事業
宅配水事業者では全国6位の顧客基盤を有し、静岡県内では63.8%とトップシェア、全国では4.2%のシェアを持つ。飲料水に対する「安全・安心」のニーズは依然高く、宅配水市場は引き続き成長が続くと想定。

2017年3月期の営業利益は、2014年3月期実績比19億円増の1億円と初の黒字化を計画している。多様なニーズに応えるため、商品ラインナップを拡充し、また大型商業施設を中心とした販売チャネルでの拡販を強化することで、顧客件数を3年間で6万件純増する。また、収益性の高い定期配送コースでの契約を推進していく。その他、顧客数の拡大に伴う工場の生産性向上効果も見込まれる(生産本数は3年間で2.9倍増の366万本、生産性は3年間で35%向上)。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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