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ダイコク電機 Research Memo(10):増収減益も、期初予想を上回る進捗

注目トピックス 日本株
■決算概要

(2)2015年3月期上期決算の概要

2015年3月期上期の業績は、売上高が前年同期比7.8%増の27,892百万円、営業利益が同12.7%減の2,170百万円、経常利益が同12.7%減の2,235百万円、四半期純利益が同4.6%減の1,472百万円と増収ながら減益決算となった。ただ、先行投資による利益の落ち込みは想定どおりであり、期初会社予想との対比では、売上高が103.3%、営業利益が144.7%と計画を上回る進捗である。

事業別売上高では、情報システム事業の周辺機器(情報公開システムやCRユニット等)が想定以上に好調であったことが増収に大きく寄与した。一方、制御システム事業はリユース比率の上昇等の影響で計画を下回る減収となった。

利益面では、利益率の高い情報システム事業の構成比が高まったことで全体の粗利益率が改善したものの、研究開発費の増加(前年同期比45.4%増)により営業利益率は7.8%(前年同期は9.6%)に低下した。ただ、営業利益が計画を上回ったのは、制御システム事業における費用の一部が下期にずれ込んだことが要因となっている。

財務面でも、自己資本比率は有利子負債の削減(前期末比200百万円減)や内部留保の積み増しにより62.7%に改善するとともに、流動比率も198.3%と高い水準を維持しており、健全な財務基盤を維持している。

事業別の業績は以下のとおりである。

情報システム事業は、売上高が前年同期比17.1%増の18,217百万円、セグメント利益が同6.3%減の2,618百万円となった。ホールコンピュータの販売台数は72台(前年同期は90台)にとどまったものの、CRユニット「VEGASIA」や情報公開機器「BiGMO PREMIUM」など周辺機器の販売が好調であったことが想定以上の増収に寄与した。また、ダイコク電機<6430>が推進している経営支援サービス(MGサービス)の売上高は、DK-SIS会員数の順調な伸びなどにより1,627百万円(前年同期比19.3%増)に拡大した。

ただ、利益面では、次世代ホールコンピュータ向けの開発費の増加(前年同期比77.1%増)に加えて、好調であったCRユニットの収益モデルの転換(製品利益率を低く設定する一方、月々のデータ管理料を徴収)によりセグメント利益率は低下した。なお、収益モデルの転換による影響は、販売時の製品利益率の低下を招くものの、販売後の継続的な課金収入を見込むことができるため、同社の収益力が低下していることではないことに注意が必要である。

制御システム事業は、売上高が前年同期比6.3%減の9,675百万円、セグメント利益が同27.4%減の369百万円となった。表示ユニットの販売台数は増加したものの、遊技機メーカーのコスト削減の動きに伴ってリユース品の比率が上昇したことが減収減益を招いた。なお、セグメント利益が計画を上回ったのは、上期に予定していた研究開発費が下期にずれ込んだことが要因である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)


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