ムサシ Research Memo(5):2016年に解散総選挙で再び民意を問うか
[14/12/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■「選挙システム機材」事業
(3)「次」のタイミングを考える
衆院選が終了し、株価は一旦落ち着いている。次に予定される国政選挙は2016年7月の参院選だが、参議院選は日程があらかじめ決まっているためサプライズというものが生まれず、株価の動きに与える影響も小さい。それに対して衆院選は、解散のタイミングがサプライズを生みだすことが多く、その場合にムサシ<7521>の株価にも大きな影響を与えることになる。今回、衆院選が行われたため、当面は同社の株価急変に備える必要がないと考える向きもあろう。
しかしながら弊社では、もっと早いタイミングで同社が市場参加者の注目を集める時機が到来する可能性もあると考えている。また、業績についても次の2017年3月期は、同社の選挙ビジネスにとって「ビッグイヤー」になる可能性があると考えている。それは2016年7月の参院選に加えて、「2017年3月期中に衆院選が行われる可能性」があるためだ。今回の衆院選については当初から「大義名分がない」との批判が強かった。その後、「消費再増税を2017年4月に先送りし、再延期はない。」ということで、これに対する信を問うという体裁にはなった。しかし、増税の問題はその時々の経済情勢を無視して行うことが現実に困難である。例えば再増税を6ヶ月後に控えた時点(この場合は2016年10月)で、今回同様、民意の信を問うべきという声が再度高まってくる可能性が高いのでないかと弊社では考えている。
2017年4月の前に民意を問う選挙が行われるならば、2017年3月期は国政選挙が2回行われることになる。同社への業績インパクトを考える場合、ベストシナリオは衆院選と参院選が別個に行われることだ。同日に衆参両選挙が実施される場合は、実質的に1回の国政選挙となってしまうためインパクトはある程度限定される。(もっとも、衆参同一日の選挙は、1986年の実施を最後に30年近く行われていない。)
弊社では、その時点での選挙システム機材事業の売上高のイメージとして、別日程の場合6,500百万円、同日選の場合4,500百万円を想定している。衆議院解散が行われない場合は2016年7月の参院選からの需要だけとなるため、3,500百万円を想定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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