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J-オイルミルズ Research Memo(4):業界再編で大手2社体制、メーカーサイドの価格統制力は強まる

注目トピックス 日本株
■会社概要

(3)事業環境とビジネスモデル

J-オイルミルズ<2613>の製油事業に関して、ビジネスモデルの特徴と外部環境の影響を概観してみたい。まず同社の原料調達の特徴として、大豆は米国、ブラジルなどから、菜種はカナダ、豪州などからほぼ100%輸入される。仕入れ価格は、大豆はシカゴ市場、菜種はウィニペグ市場(カナダ)の相場に連動する。相場価格は、新興国の旺盛な食糧需要を背景に上昇傾向にはあるが、天候による作柄や作付面積、投機資金などにも影響され変動する。さらに仕入れコストに影響するのが外国為替レートである。2015年3月期では円安が1円進むと利益が約400百万円減少すると試算されている。

同社のビジネスモデル上、油脂と同様に重要性が高いのがミール(油糧)事業だ。搾油により油脂とミール(油糧)に分離され、ミール(油糧)は飼料・肥料・醸造メーカーに販売される。国内のミール価格は、国際価格や輸入ミール価格、外国為替レートに影響される。原料調達コストが上がった場合でも、ミール(油糧)を高値で販売できればマイナス面をカバーでき、いわば緩衝材の役割を果たす。

また、業界再編により大手2社体制が確立し、食用油脂メーカーサイドの価格統制力は強まった。環境が変わった時に、時間差なく機動的に価格対応ができるようになってきている。外部環境の変動リスクからは逃れられない業界だが、その中で安定した収益を確保し続ける“変化対応力”が同社の強みと言えるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)



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