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ビーエスピーResearch Memo(11):戦略的な分野への技術者再配置と3つの施策を推進

注目トピックス 日本株

■成長戦略と進捗

(3)戦略の進捗

ビーエスピー<3800>は、将来に向けた戦略的な分野へ技術者再配置(BSPとビーコンITを合わせた技術者の配置を4%から18%へ拡大)を行うとともに、2015年3月期の経営方針として、以下の3つの施策に取り組んでいる。

a)経営資源の早期融合による事業基盤の強化
クラウド事業を再編・強化するため、両社の組織を統合するとともに、7月には「Be.Cloud」サービスの新製品を開発及び投入した。また、注力分野であるビッグデータ市場、BPM市場への対応を強化するため人員を増強するとともに、販売提携したソフトウェア・エー・ジー(株)のデータ活用領域製品の日本企業に対するマーケティング調査を実施。一方、既存事業においても、システム運用を迅速かつ確実に自動化するための仕組みとしてRBA※
技術調査のための人員増強や同社の主力製品である「A-AUTO」のユーザーの裾野拡大を目的とした無償版の開発を行うなど、将来に対する投資を行った。

※ラン・ブック・オートメーションの略。従来の様々なIT運用管理ツールとの連携機能を組み入れたIT運用管理自動化の仕組みを実現するテクノロジーのことである。

b)収益力強化のための製品・サービスの統廃合
ビーコンITが取り扱う他社製品の一部を市場性と収益性の観点から改廃するとともに、案件ごとのプロセスマネジメントの精度を強化した。

c)グループ・シナジーの基盤作り
顧客ニーズの掘り起しのためのクロスセールスの展開やオフィスの統合等を行い人心の融合を図っている。

同社とビーコンITは、そもそも同門の関係にあり、これまでも連携を図ってきた実績があることから、組織融合は比較的スムーズに進展するものとみている。ただし、コスト面のシナジー効果(オフィス統合や本部経費の削減、営業の効率化等)は早期に発揮される期待が持てる一方で、これからの課題は、事業シナジーを活かした価値創出をいかに具現化するかであろう。特に、メインフレーム事業で稼いだキャッシュや顧客基盤など、既存事業で蓄積した経営資源を新規事業の育成に結び付けることが同社成長のカギを握る。中期的な視点から事業構造変革の進捗が注目される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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