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シュッピン Research Memo(4):カメラ事業は買い取りのEC比率増加が販売に結びつく理想的なモデル

注目トピックス 日本株
■事業別動向

(1)カメラ事業

カメラ事業の2015年3月期の第2四半期売上高は6,269百万円(前年同期比19.4%増)、セグメント営業利益は521百万円(同21.1%増)となった。4月、5月は消費増税の反動が予想以上に厳しかったが、インバウンド観光客の免税売上が予想以上に急伸し、結果的に堅調な伸びを示した。

カメラは一品物の工芸品ではなく大量生産される工業品であること、マニア層が多く存在すること、高額商品であること、レンズ交換などで発展性があること、新品の仕入が制限なくできること、中古品市場がすでに存在していることなど様々な要件に照らして、シュッピン<3179>が目指す事業モデルに最もフィットする商材だ。その特性を生かして同社は、「ワンプライス買取」、「スムーズ買取」、「先取交換」などによる消費者の利便性向上によって中古品売却⇒新品(もしくは上位品の中古機)購入のサイクルをより円滑化する施策を打ってきた。その結果、中古品買取額は着実に増加基調をたどり、それが売上高の増加につながるという好循環に入っている。買取において、EC買取額が増加していることも注目される。販売のみならず買取においても同社が目指すインターネットの活用が良く機能していることがカメラ事業の特徴と言える。

一方、販売においては、EC販売比率が54.3%となった。前述のインバウンド観光客の免税売上分を除けばこの比率は70%近いと推定され、順調にEC化が進展していることがうかがえる。新品と中古品の比率は、ECではほぼ半々、店頭では新品が多いという状況にあるようだ。特に2015年3月期の第2四半期においては店頭で新品の割合が免税売上の増加によって急伸したとみられる。利益率について一般に、中古品の方が新品よりも高いとみられるため、新品の比率の上昇をネガティブにとらえる向きもあるかもしれないが、弊社の理解は異なる。店舗での中古品販売の絶対額も順調に伸びている中で、免税売上が急伸したことは、純粋に粗利益を押し上げたとポジティブに解釈すべきというのが弊社の見解だ。

今後の重点施策としては、買取3施策の本格開始で買取量の増加を目指すほか、中古品の掲載点数を増加させることや、商品画像の充実で消費者のEC活用を刺激していく方針だ。また、レンズマウントアダプタの専門サイトの拡充などで、マニア層の取り込みと顧客囲い込みをさらに加速させていく方針だ。カメラ事業の中期的な売上目標30,000百万円は従来どおりで変更はない。

足元の動向は、買取と販売の両面で、同社の目指す通りの動きとなっているようだ。特に弊社が注目するのは、買取ペースが2015年3月期の第2四半期後半から第3四半期の足元にかけて加速しつつある点だ。買取額の増加と、買取におけるEC比率の増加という、同社にとって理想的な形で伸びている点が、今後の販売増加につながっていくものと弊社では期待している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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