USS Research Memo(10):ネット活用で遠隔地顧客を取り込む
[14/12/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■2015年3月期業績見通し
(3)ネットワーク戦略
ユー・エス・エス<4732>はネットワーク戦略として、インターネット会員や衛星テレビ会員など外部落札会員の拡大を進めており、2015年3月期の第2四半期においてもキャンペーン施策によって、半期ベースでは780件のインターネット会員数を獲得した。オークション会場に直接足を運べない遠隔地の顧客を取り込むことで、成約率のアップにつなげている。
また、これとは別に同社グループ以外のオークション事業者にもインターネットや衛星テレビのネットワークを接続し、相互の会員の成約・落札機会の増大に向けた取り組みを行っている。現在、インターネット、衛星テレビともに同社グループ以外では13会場とネットワーク接続しているが、新たに業界第3位のJAAグループと業務提携契約を締結し、JAA(東京都)とは2014年11月から、HAA神戸(兵庫県)とは2015年5月から衛星テレビのネットワーク接続を行うことになった。今回の提携により、衛星テレビでの中継シェア(全オークション出品台数のうち、同社のネットワーク上で取引可能な出品台数の比率)は47.0%から55.2%※へ拡大することになる。
※2014年1月-6月の各オークション事業者の市場シェアを基に算出(JAA2.1%、HAA神戸6.2%)
オークション事業者間でネットワーク接続するメリットは、同社の衛星テレビ会員から見れば、JAAグループのオークションにも参加することができ、欲しい車を落札する機会が拡大することが挙げられる。こうした外部のオークション会場にも参加できるというメリットを打ち出すことで、インターネット会員や衛星テレビ会員の囲い込みにつながるだけでなく、新規会員を増やすための施策ともなる。
また、同社にとっては出品台数に応じたネットワーク接続料や、同社の会員が提携会場において落札した際の手数料などが入ることになる。今回、JAAグループが参加することによる収益への影響額としては、年間で160〜180百万円程度と試算されている。これら外部オークション事業者から得られる収入は、その他営業収入のなかに含まれている。
ネットワーク接続することによるデメリットとして同社の会場内での成約台数が減る可能性が考えられるが、その影響はほとんどない。なお、他の事業者とのネットワーク接続に関して、今後増やす予定はないとしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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