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ケネディクス<4321>不動産市況の回復等により想定以上の売却益見込む

注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』12月22日放送において、ケネディクス<4321>を取り上げている。主な内容は以下の通り。

■事業概要
同社は日本の不動産投資ファンドの草分けとして業容を拡大し、受託資産残高は1.4 兆円を超える。不動産投資ファンドとは、投資家から集めた資金でオフィスビルやマンション、商業施設などの不動産を購入し、そこから得られる賃貸収入や売却益を投資家に分配する仕組み(金融商品) である。広く一般の投資家から資金を集めるREIT (不動産投資信託) と特定の投資家向けの私募ファンドに分類される。また、REIT のうち、証券取引所に上場しているものがJ-REIT である。

不動産証券化ビジネスの進展と投資家ニーズの拡大を背景に、J-REIT を含めた不動産投資ファンド市場は着実な成長を遂げ、その勃興期から参画してきた同社の業績を後押ししてきた。同社の事業ドメインは、不動産投資ファンドの組成・運用を行う「アセットマネジメントビジネス」を中核に、自己勘定にて不動産投資を行う「エクイティ投資」、不動産管理など手数料収入による「ノンアセット不動産関連サービス」の3 つの領域に分類される。主力のアセットマネジメントビジネスが営業総利益の約半分を稼ぎ出している(2014 年12 月期の第3 四半期累計、2014 年1 月-9 月)。

■アセットマネジメントビジネスに関して
事業セグメントでは「アセットマネジメント事業」に区分される。REIT や私募ファンドの組成、運用を行う中核事業であり、受託資産残高に対して概ね0.5% の運用報酬(アセットマネジメントフィー収入) が安定的な収益源となっている。

現在、受託資産残高のうち、REIT (私募REIT を含む) が約62%、私募ファンドが約28%を占める(残り約10% は自己勘定)。アセットクラス別では、オフィスビル53%、賃貸住宅17%、物流施設13%、商業施設13%、その他(ヘルスケア施設を含む) 4% で構成されている。

REIT には、上場しているJ-REIT の4 銘柄、私募REIT の1 銘柄のほか、2015 年の上場を予定している商業REIT とヘルスケアREIT の2 銘柄が存在する。

■エクイティ投資に関して
事業セグメントでは「不動産投資事業」と「不動産賃貸事業」に区分される。不動産やREIT などへの自己勘定投資を行う事業である。そのうち「不動産投資事業」はファンド組成を円滑に行うため、ファンドに組み入れるための不動産の一時保有のほか、ファンドと同社との利害関係を一致させるための共同投資等によるものである。一方、「不動産賃貸事業」は、固定資産として保有する土地・建物について、それを賃貸する事業である。同社は、自己勘定投資の目標投資リターンを年10% に掲げ、特に共同投資の積極化による投資リターンの追求を目標としている。

■ノンアセット不動産関連サービスについて
不動産への直接投資ではなく、例えば、サービスオフィスやサービスアパートの運営、ビル管理会社の運営などを行う事業であり、安定収益であるフィー収入の拡大を狙っている。2013 年10 月にサービスオフィス及びサービスアパートメント運営を主な事業とする( 株) スペースデザインの株式を取得。2014 年1 月には、オフィスビルを中心としたビル管理業務を担うことを目的としてケネディクス・プロパティ・マネジメント( 株) を設立するなど、着実に事業拡大を図っている。

■2014 年12 月期の第3 四半期
営業収益が前年同期比63.4% 増の19,741 百万円、営業利益が同26.3% 増の6,281 百万円、経常利益が同53.6% 増の5,262 百万円、四半期純利益が同161.5% 増の5,945 百万円と大幅な増収増益となった。

すべての事業セグメントが増収となったが、好調な不動産市況を背景として保有不動産の売却が順調に進んだことにより、特に不動産投資事業が大きく伸長した。また、受託資産残高も着実に拡大したことから、アセットマネジメント事業も順調に伸びた。

一方、利益面では、不動産投資事業の構成比の上昇に伴って原価率が上昇したことから、営業利益率は31.8% (前年同期は41.2%) に低下した。なお、四半期純利益の伸び率が大きいのは、長期保有目的の保有不動産の処分による影響(売却益のほうが大きかった) である。過去の含み損を抱えた資産の処分は一定のめどがついたとみられる。

■事業別の業績は
アセットマメジメント事業は、営業収益が前年同期比21.9% 増の6,614 百万円、営業利益が同26.0% 増の3,840 百万円と増収増益であった。受託資産残高の着実な成長により、アセットマネジメントフィーが安定した伸びを示したほか、好調な不動産市況を背景としてインセンティブフィーが大きく伸びた。なお、受託資産残高は2014 年10 月末現在で1.4773 兆円に拡大している。

不動産投資事業は、営業収益が前年同期比120.8% 増の6,362 百万円、営業利益が同70.9% 増の1,904 百万円と大幅な増収増益を達成した。好調な不動産市況を背景とした不動産売却益のほか、受取配当金の受領及び自己勘定保有物件の増加で賃貸事業損益が増加した。

不動産賃貸事業は、営業収益が前年同期比78.4% 増の7,598 百万円、営業利益が同21.7% 増の1,750 百万円と増収増益となった。自己勘定保有物件の増加に基づく賃貸事業損益の増加に加え、2013 年10 月に連結子会社化した(株) スペースデザインのマンスリーリース収入や賃料収入が上乗せされたことで賃貸収入が増加した。

■14年12月期見通し
2014 年12 月期の業績見通しについて、不動産市況の回復等により想定以上の売却益が見込まれることから、2014 年8 月7 日に期初予想を増額修正した。同社の総合的な収益力を示す当期純利益は前期比101.5%増の4,000 百万円に拡大する見通しである。2014 年12 月期の第3 四半期(2014 年1 月-9 月) までの進捗や足元の状況等を勘案すると、更なる業績上振れの可能性もある。また、期末配当として1 株当たり3 円の復配も予定している。

■中期経営計画、1 年前倒しのめどがついた可能性
2015 年12 月期を最終年度とした中期経営計画については、不動産市況の回復等を追い風として同社の業績が想定以上に好調に推移していることから、1 年前倒しによる達成を目指してきた。同社は2014 年10 月末時点の進捗状況を公表したが、既に達成のめどがついたと判断していいだろう。

■受託資産残高の拡大による安定的な収益基盤の強化に関して
2014 年12 月期末の受託資産残高1.4 兆円を目標としてきたが、各REIT がそれぞれ順調に規模を拡大したほか、2014 年3 月に私募REIT である「ケネディクス・プライベート投資法人」が運用を開始したことや、2014 年10 月にはNTT 都市開発との事業協力の一環としてJ-REIT である「プレミア投資法人」が受託資産残高に加わったことから、2014 年10 月末現在で1.4 兆円を超える受託資産残高に到達した。

■共同投資の積極化による投資リターンの追求に関して
2014 年12 月期において累計30,000 百万円超の新規投資を目標としてきたが、第3 四半期までに不動産関連投資(東京・港区の大規模オフィスビルの他、商業施設REIT の立ち上げに向けた東京及び近郊の有力商業施設などREIT 向けブリッジファンドが中心) に約28,600 百万円、REIT /ファンド関連投資等や事業関連投資として約7,800 百万円の新規投資を行っている(合計約36,400 百万円)。なお、同社は2014 年12 月期末までの新規投資上限の枠として52,000 百万円程度を予定している。

■アセットマネジメント事業の強化やM&A 等への対応を視野に入れた体制整備
2013 年10 月に、グループ全体のアセットマネジメントにおけるノウハウの集約や新規ファンド組成に向けた体制強化などを目指し、傘下のREIT 運用会社などを統合して新設のケネディクス不動産投資顧問に一本化する組織再編を行った。また、不動産関連サービス業務の拡大を目的として、2013 年10 月にサービスオフィスやサービスアパートメント運営を主な事業とする(株) スペースデザインの株式を取得。2014 年1 月にもオフィスビルを中心としたビル管理業務を担うことを目的としてケネディクス・プロパティ・マネジメントを設立した。

■今後の成長戦略
2015 年に新たに商業施設REIT とヘルスケアREIT の2 つのREIT の上場を計画している。高齢化社会を迎えた日本では、ヘルスケア施設に対する需要は極めて高く、投資家の長期安定的な投資ニーズにも対応するものと期待されており、同社では早期に100,000 百万円程度の規模拡大を目指す。また、商業施設REIT についても、長年にわたって商業施設を運用してきたノウハウを活かし、中期的に200,000 百万円程度まで規模拡大を図る方針である。

ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送




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