ティア Research Memo(10):関東圏では中長期的に20店舗体制を目指す
[15/01/05]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■成長戦略
(2)成長戦略
○人財教育
ティア<2485>では、FC店舗も含めて中長期的には200店舗体制を目指しているが、多店舗化していくうえで重要となるのが人財育成である。葬儀業界においては、親族の死に直面するという特殊な環境下において、顧客(遺族の方々)から「ありがとう」と言われるだけの心配りが行き届いたサービスが求められるだけに、人財育成は企業の競争力の源泉として最も重要であると考えている。
同社は人財育成システムとして、「ティアアカデミー」と呼ばれる独自の教育カリキュラムを実践しており、個々の社員のスキルアップを図るだけでなく、強い組織力の形成も目指している。また、社員の早期戦力化を図るため、前期にはカリキュラムを見直して新卒研修期間の短縮化(8ヶ月間)を実現している(従来は個々の能力によって10〜12ヶ月と長くかかっていた)。
○出店戦略
今後の出店戦略として直営店に関しては、中部・関東・関西圏を中心にして年間4〜5店舗ペースでの出店を計画している。また、既存店舗においても年間3〜4店舗ペースで小規模葬に対応した改装を推進していく。引き続きドミナント戦略による多店舗展開を図っていく方針で、1会館の商圏を直径3kmに設定し、相互補完性を高めながら、会館の稼働率向上を進めていく考えで、稼働率に関しては約70%を確保している。
エリア別で見ると、主力拠点である名古屋市内に関しては既に多く出店していることから、今後は小規模会館を中心としたサテライト出店を推進していく方針。また、今後の強化エリアである関東圏では中長期的に20店舗体制を目指しており、年間で1〜2店舗ペースで出店を行うと同時に、貸しホールを使った葬儀請負も行っていく。FC店に関しては太平洋ベルトラインを重点開発エリアとして位置付け、新規クライアントの開拓を推進していく。
特に、首都圏でのシェア拡大においては、FC展開が今まで以上に重要な戦略となってくる。首都圏では賃借料などの相場も高いため、直営だけで展開していくには設備資金がかさむほか、時間も要するためだ。また、一方でM&Aの活用も今後は視野に入れている。葬儀業界では個人で2〜3店舗を運営する零細企業が多く、また、こうした企業では経営者が高齢化し、廃業するケースも増えている。同社では一定エリア内において、葬儀件数シェアが高い企業であれば、M&Aで取得していく価値があるとみている。新規に自社展開するよりも、既に葬儀会館などインフラが整っているほうが、早期に店舗数の拡大を進めることができるためだ。
なお、新規出店にかかる設備投資に関しては、当面は営業キャッシュフローの範囲内で行っていく方針となっている。
○葬儀費用の明確化と「ティアの会」会員数の拡大
同社では創業時より葬儀費用の「明確化」と「透明化」を推進しており、その姿勢はインターネット、チラシ等でも葬儀価格を積極的に公開するなど戦略的に一貫している。前述したように業界平均と比較すると同社の葬儀単価はまだ2割程度低く、今後もサービスの質だけでなく、価格競争力においても優位性を保ち続けるものと予想される。
こうしたなかで、将来の潜在顧客となる「ティアの会」会員数は順調に増加しており、2014年9月末時点では約23万人となっている。各種イベントやセミナーの開催、Webでのキャンペーン実施により、会員数の獲得を続けているが、同時に会員サービスにおいても「TEAR+(ティアプラス)」による会員優待サービスやポイント制の導入、保険サービスなどサービスの拡充を進めており、会員数の維持拡大に寄与するものとみられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<FA>
(2)成長戦略
○人財教育
ティア<2485>では、FC店舗も含めて中長期的には200店舗体制を目指しているが、多店舗化していくうえで重要となるのが人財育成である。葬儀業界においては、親族の死に直面するという特殊な環境下において、顧客(遺族の方々)から「ありがとう」と言われるだけの心配りが行き届いたサービスが求められるだけに、人財育成は企業の競争力の源泉として最も重要であると考えている。
同社は人財育成システムとして、「ティアアカデミー」と呼ばれる独自の教育カリキュラムを実践しており、個々の社員のスキルアップを図るだけでなく、強い組織力の形成も目指している。また、社員の早期戦力化を図るため、前期にはカリキュラムを見直して新卒研修期間の短縮化(8ヶ月間)を実現している(従来は個々の能力によって10〜12ヶ月と長くかかっていた)。
○出店戦略
今後の出店戦略として直営店に関しては、中部・関東・関西圏を中心にして年間4〜5店舗ペースでの出店を計画している。また、既存店舗においても年間3〜4店舗ペースで小規模葬に対応した改装を推進していく。引き続きドミナント戦略による多店舗展開を図っていく方針で、1会館の商圏を直径3kmに設定し、相互補完性を高めながら、会館の稼働率向上を進めていく考えで、稼働率に関しては約70%を確保している。
エリア別で見ると、主力拠点である名古屋市内に関しては既に多く出店していることから、今後は小規模会館を中心としたサテライト出店を推進していく方針。また、今後の強化エリアである関東圏では中長期的に20店舗体制を目指しており、年間で1〜2店舗ペースで出店を行うと同時に、貸しホールを使った葬儀請負も行っていく。FC店に関しては太平洋ベルトラインを重点開発エリアとして位置付け、新規クライアントの開拓を推進していく。
特に、首都圏でのシェア拡大においては、FC展開が今まで以上に重要な戦略となってくる。首都圏では賃借料などの相場も高いため、直営だけで展開していくには設備資金がかさむほか、時間も要するためだ。また、一方でM&Aの活用も今後は視野に入れている。葬儀業界では個人で2〜3店舗を運営する零細企業が多く、また、こうした企業では経営者が高齢化し、廃業するケースも増えている。同社では一定エリア内において、葬儀件数シェアが高い企業であれば、M&Aで取得していく価値があるとみている。新規に自社展開するよりも、既に葬儀会館などインフラが整っているほうが、早期に店舗数の拡大を進めることができるためだ。
なお、新規出店にかかる設備投資に関しては、当面は営業キャッシュフローの範囲内で行っていく方針となっている。
○葬儀費用の明確化と「ティアの会」会員数の拡大
同社では創業時より葬儀費用の「明確化」と「透明化」を推進しており、その姿勢はインターネット、チラシ等でも葬儀価格を積極的に公開するなど戦略的に一貫している。前述したように業界平均と比較すると同社の葬儀単価はまだ2割程度低く、今後もサービスの質だけでなく、価格競争力においても優位性を保ち続けるものと予想される。
こうしたなかで、将来の潜在顧客となる「ティアの会」会員数は順調に増加しており、2014年9月末時点では約23万人となっている。各種イベントやセミナーの開催、Webでのキャンペーン実施により、会員数の獲得を続けているが、同時に会員サービスにおいても「TEAR+(ティアプラス)」による会員優待サービスやポイント制の導入、保険サービスなどサービスの拡充を進めており、会員数の維持拡大に寄与するものとみられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<FA>