ルネサスイーストン<9995>自動運転車関連には高い関心が継続
[15/01/19]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』1月15日放送において、ルネサスイーストン<9995>を取り上げている。主な内容は以下の通り。
■注目ポイント
自動運転車関連として昨年半ばに人気化、その後は調整局面を迎えているが、700円レベルでは下げ止まりの動きを強めてきており、あらためて関連銘柄としての期待感を高めたいタイミング。ZMPのIPOなども予定されていることで、今後も自動運転車関連には高い関心が継続することが見込まれる。また、スマートグリッド関連、ウェアラブル関連としての側面などにも注目。さらに、1倍割れのPBR水準やPER水準などに割安感も強い。
■会社概要
ルネサスイーストン<9995>は、技術系エレクトロニクス商社である。ルネサスエレク<6723>の特約店として半導体製品取扱量はトップクラスで、自動車分野、産業分野向けを成長分野と位置づけ、そこでの半導体製品の拡販による収益拡大を狙っている。
■仕入先や販売先
製品の仕入、販売の両面で業界最大手クラスの優良パートナーと取引がある点は同社の強みでもある。商品の仕入先は圧倒的にルネサスエレクが多く、約80% を占めている。2 番目に多いのが日立製作所グループであり、2社で約90%を占める状況にある。販売先には、自動車関連では日立オートモティブシステムズ(日立製作所<6501>の100% 子会社)、カルソニックカンセイ<7248>、クラリオン<6796>など、産業関連では、日立製作所<6501>、アドバンテスト<6857>、安川電機<6506>など、民生・OA 関連ではニコン<7731>、キヤノン<7751>、ソニー<6758> などが大口の販売先として名を連ねている。自動車関連が45%を占め、産業関連と合わせて85%程度を占めている。
しかし、同社はさらに一歩踏み込んで、顧客企業による販売活動をサポートしたり、あるいはその過程で得られた最終顧客のニーズを製品開発に生かすべく仕入先企業にフィードバックしたりしている。こうした活動を通じて、自社を中心として仕入先と直接販売先を1 つの大きなまとまりとし、全体として収益拡大が実現できるように、その集団にとってのいわば潤滑油あるいは触媒のような働きもしている。
■自動車業界向けの見通し
自動車のエレクトロニクス化は1980 年代から急速に進んだ。現在では、走行制御、情報提供、危険警報・警告などあらゆる分野に及ぶほか、エレクトロニクスの採用領域がどんどん広がっている。電気自動車の登場は、ある意味で究極のエレクトロニクス化ともいえる。
自動車1 台に搭載されるマイコンの個数は、一般的な小型車でも30 個〜 60 個程度に及び、高級車では少し前までは100 個といわれていたのが、足元では200 個近くにまで増えてきている。この結果、自動車の製造コストに占めるエレクトロニクス部品の割合は、2007 年の段階で平均すると20%〜 30%に達していたという調査結果があるが、2015 年には平均値が40%程度にまで上昇するとみられている。以上のような流れを総括すると、自動車関連のエレクトロニクス部品の市場は、年率で10%前後の成長が期待される市場という見方が関連業界のほぼ一致した見方となっている。
■その他成長分野(HEMS)
スマートグリッドの真の完成には、家庭の電化製品のスマート化も必要不可欠で、家庭内のエネルギー効率を高める仕組みがHEMS(Home Energy Management System)である。「電力の見える化」で節電に貢献、というのがHEMS と説明されることが多いが、家電製品の自動制御が加わることで効果は一段と高まる。そのため、HEMS が本格的に家電分野でマイコンを始めとする半導体製品の需要を押し上げると期待される。
HEMS は自動車に比べると、現実的な収益貢献という点ではだいぶ先になると考える向きも多いが、HEMS など家電の高機能化、高付加価値化は日本のメーカーが最も得意とするところであり、低価格化競争からの脱却を狙って予想以上に早い時期からHEMS 対応機種の商戦が開始される可能性もある。
■ウェアラブル関連分野の展開
ウェアラブル端末用開発支援ツールの提供を12月から開始。マイコン、無線通信部品、センサーなど端末に必要な部品をモジュール化、部品調達などの手間が省けるため開発期間の短縮につながる。年間100社への提供を目指すようだ。ルネサスエレクトロニクス製のマイコン、ミツミ電機<6767>の無線通信部品、北陸電気工業<6989>製のセンサーなどで構成する複合部品、性能評価用のボードを合わせて提供する。ユーザーは同ツールを基本に自社の開発コンセプトに合わせて小型化したり、部品を追加搭載したりして、すぐに開発に着手できる。要望に合わせてルネサスイーストンの社員がソフト開発の支援なども提供する。
■業績動向
上半期売上高は425億円で前年同期比2%増収、営業利益は9億円で前年同期比24%増益、10月の上方修正値(760→890百万円)を上回る着地となった。品目別売上高では、集積回路は自動車分野を中心に増加、半導体素子は産業分野を中心に増加した。営業利益は販売費及び一般管理費は増加も、売上原価率の低下による売上総利益の増加がそれを上回った。売上予想を下方修正した分、通期予想は期初から下方修正、営業利益は16.45億円で前期比11.5%増益となっているが、進捗率などは高く、会社計画は保守的と捉えられる。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
<TM>
■注目ポイント
自動運転車関連として昨年半ばに人気化、その後は調整局面を迎えているが、700円レベルでは下げ止まりの動きを強めてきており、あらためて関連銘柄としての期待感を高めたいタイミング。ZMPのIPOなども予定されていることで、今後も自動運転車関連には高い関心が継続することが見込まれる。また、スマートグリッド関連、ウェアラブル関連としての側面などにも注目。さらに、1倍割れのPBR水準やPER水準などに割安感も強い。
■会社概要
ルネサスイーストン<9995>は、技術系エレクトロニクス商社である。ルネサスエレク<6723>の特約店として半導体製品取扱量はトップクラスで、自動車分野、産業分野向けを成長分野と位置づけ、そこでの半導体製品の拡販による収益拡大を狙っている。
■仕入先や販売先
製品の仕入、販売の両面で業界最大手クラスの優良パートナーと取引がある点は同社の強みでもある。商品の仕入先は圧倒的にルネサスエレクが多く、約80% を占めている。2 番目に多いのが日立製作所グループであり、2社で約90%を占める状況にある。販売先には、自動車関連では日立オートモティブシステムズ(日立製作所<6501>の100% 子会社)、カルソニックカンセイ<7248>、クラリオン<6796>など、産業関連では、日立製作所<6501>、アドバンテスト<6857>、安川電機<6506>など、民生・OA 関連ではニコン<7731>、キヤノン<7751>、ソニー<6758> などが大口の販売先として名を連ねている。自動車関連が45%を占め、産業関連と合わせて85%程度を占めている。
しかし、同社はさらに一歩踏み込んで、顧客企業による販売活動をサポートしたり、あるいはその過程で得られた最終顧客のニーズを製品開発に生かすべく仕入先企業にフィードバックしたりしている。こうした活動を通じて、自社を中心として仕入先と直接販売先を1 つの大きなまとまりとし、全体として収益拡大が実現できるように、その集団にとってのいわば潤滑油あるいは触媒のような働きもしている。
■自動車業界向けの見通し
自動車のエレクトロニクス化は1980 年代から急速に進んだ。現在では、走行制御、情報提供、危険警報・警告などあらゆる分野に及ぶほか、エレクトロニクスの採用領域がどんどん広がっている。電気自動車の登場は、ある意味で究極のエレクトロニクス化ともいえる。
自動車1 台に搭載されるマイコンの個数は、一般的な小型車でも30 個〜 60 個程度に及び、高級車では少し前までは100 個といわれていたのが、足元では200 個近くにまで増えてきている。この結果、自動車の製造コストに占めるエレクトロニクス部品の割合は、2007 年の段階で平均すると20%〜 30%に達していたという調査結果があるが、2015 年には平均値が40%程度にまで上昇するとみられている。以上のような流れを総括すると、自動車関連のエレクトロニクス部品の市場は、年率で10%前後の成長が期待される市場という見方が関連業界のほぼ一致した見方となっている。
■その他成長分野(HEMS)
スマートグリッドの真の完成には、家庭の電化製品のスマート化も必要不可欠で、家庭内のエネルギー効率を高める仕組みがHEMS(Home Energy Management System)である。「電力の見える化」で節電に貢献、というのがHEMS と説明されることが多いが、家電製品の自動制御が加わることで効果は一段と高まる。そのため、HEMS が本格的に家電分野でマイコンを始めとする半導体製品の需要を押し上げると期待される。
HEMS は自動車に比べると、現実的な収益貢献という点ではだいぶ先になると考える向きも多いが、HEMS など家電の高機能化、高付加価値化は日本のメーカーが最も得意とするところであり、低価格化競争からの脱却を狙って予想以上に早い時期からHEMS 対応機種の商戦が開始される可能性もある。
■ウェアラブル関連分野の展開
ウェアラブル端末用開発支援ツールの提供を12月から開始。マイコン、無線通信部品、センサーなど端末に必要な部品をモジュール化、部品調達などの手間が省けるため開発期間の短縮につながる。年間100社への提供を目指すようだ。ルネサスエレクトロニクス製のマイコン、ミツミ電機<6767>の無線通信部品、北陸電気工業<6989>製のセンサーなどで構成する複合部品、性能評価用のボードを合わせて提供する。ユーザーは同ツールを基本に自社の開発コンセプトに合わせて小型化したり、部品を追加搭載したりして、すぐに開発に着手できる。要望に合わせてルネサスイーストンの社員がソフト開発の支援なども提供する。
■業績動向
上半期売上高は425億円で前年同期比2%増収、営業利益は9億円で前年同期比24%増益、10月の上方修正値(760→890百万円)を上回る着地となった。品目別売上高では、集積回路は自動車分野を中心に増加、半導体素子は産業分野を中心に増加した。営業利益は販売費及び一般管理費は増加も、売上原価率の低下による売上総利益の増加がそれを上回った。売上予想を下方修正した分、通期予想は期初から下方修正、営業利益は16.45億円で前期比11.5%増益となっているが、進捗率などは高く、会社計画は保守的と捉えられる。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
<TM>