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ケンコーマヨ Research Memo(9):通期は期初計画を据え置き増収増益を見込む

注目トピックス 日本株

■業績動向

(4)2015年3月期見通し

ケンコーマヨネーズ<2915>の2015年3月期の連結業績は、売上高が前期比4.7%増の60,000百万円、営業利益が同19.0%増の2,890百万円、経常利益が同19.5%増の2,700百万円、当期純利益が同25.6%増の1,590百万円と期初計画を据え置いている。

事業別売上高では、マヨネーズ・ドレッシング類が前期比2.8%減収となるのを除いて、すべての事業で増収を見込んでいる。なかでも、タマゴ加工品に関しては同12.0%増収と2ケタ増収が続く見通し。静岡富士山工場の稼働による能力増効果や販路拡大、新商品投入効果などが寄与する。静岡富士山工場では10月半ばから9ラインすべてが稼働を開始しており、稼働率も上昇傾向にある。当初は稼働後3年間でフル稼働を目指すとしていたが、顧客からの評価も高まっていることから、1年前倒しでフル稼働を達成できる見通しとなっている。同社では、タマゴ加工品の需要が旺盛なことから、関東ダイエットエッグ・会津若松工場でも能力増強を進めており、それでも生産能力が不足すると判断した場合には、静岡富士山工場の増設を進めていくことになるとしている。

サラダ・総菜類に関しては、業態別に細分化した販売・開発戦略を一段と強化し、主力のFDF(ファッションデリカフーズ®)の業務用への拡販を強化していくほか、市販用の「サラダのプロがつくった」サラダシリーズの販路拡大を進めていく。

総菜関連事業等に関しても、量販店を中心にフレッシュ総菜等の売上拡大を進めていくほか、北海道でのカット野菜事業の強化もはかっていく。

その他、サラダカフェでは12月に「ザ・ダイヤモンド横浜店」をオープンしている。生活スタイルの変化による内食需要の拡大やヘルシー志向の高まりによって、サラダカフェの出店リクエストは増えてきており、同社でも今後は収益性を重視しつつ、駅ナカや駅ビルなど立地場所も広げながら、年間数店舗ペースで店舗数の拡大を計画している。サラダカフェの知名度・ブランド力を上げることによって、ケンコーマヨネーズのバリューアップを図っていく戦略となる。

経常利益は増益に転じる見通しだが、増減益要因を見ると、増収効果で155百万円、価格改定効果で542百万円、原材料価格変動による影響で102百万円の増益要因を見込んでいる。一方、減益要因としては生産拠点統合による費用等のコストアップ要因で▲207百万円、固定経費などの増加で▲108百万円、物流費の価格アップの影響で▲42百万円を見込む。

原材料価格変動による影響に関して、第2四半期までは減益要因であったが、通期では増益要因となる。鶏卵相場に関しては下期も引き続き高水準が続き、通期では400百万円以上の減益要因になるとみているが、主要原材料の1つである食用油の仕入れ価格低下によってカバーできる見通しだ。食用油に関してはシカゴの商品相場から半年〜9ヶ月ほどタイムラグを置いて同社の仕入れ価格に影響することになるが、今期は相場が下がり始めた2013年に買い付けた価格が反映されることになるため、プラスに寄与する。

また、海外事業に関しては、中国事業を2015年度に年間ベースで黒字化させるため、経営資源の集中を進めている。具体的には、8月に東莞工場を閉鎖し、杭州工場に生産拠点を統合したほか、営業体制も華東地区中心に顧客開拓を進めていく方針とした。中国ではケチャップやマヨネーズ、サラダ等の製造販売を行っており、売上高の約65%が合弁先企業のグループ会社向けとなっているが、グループ会社向け価格も厳しく苦戦が続いている要因ともなっている。同社では拠点統合による生産効率を高めることで、コスト低減を進めていくほか、新規顧客の開拓による売上増などによって黒字化を目指していくなど、中国合弁企業の売上高は前期比5割増の1,600百万円(上期売上高は700百万円)を見込んでいる。

インドネシア事業では、業務用マヨネーズと液卵の販売が順調である。2013年10月から工場を立ち上げたばかりで、今後マーケティングの強化を進めることで売上増を目指していく。また、インドネシアの工場はハラール認証を取得しており、輸出などにも展開していく計画となっている。2015年2月からは日本向けのハラール対応商品の輸出を予定している。日本では海外から観光客やビジネス渡航客が増えており、外資系ホテルや機内食、空港内レストランなどでの需要拡大が見込まれている。まだ、先行投資負担が重いため収益化の時期は流動的ではあるが、同社では2016年3月期に海外事業全体で、黒字化することを目標として掲げている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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