ケンコーマヨ Research Memo(10):グローバル展開や事業領域の拡大に注力中
[15/01/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■成長戦略
(1)「中期経営計画IV(フォース)2012-2014」について
ケンコーマヨネーズ<2915>は2015年3月期を最終年度とする「中期経営計画IV(フォース)2012-2014」を実行中で、「市場演出型企業としての存在感アップ」を目指し、5つのテーマに取り組んできた。以下に取り組み状況について簡単に紹介する。
○グローバル企業となる
グローバル企業への脱皮を目指して、同社は中国、インドネシアで合弁会社による事業展開を進めており、国内からの輸出に関しても、ドレッシング、マヨネーズなど現在25ヶ国・地域へ輸出している。輸出売上高実績としては、2013年3月期で200百万円から、2015年3月期は500百万円を目標としている。
○事業領域の拡大
事業領域の拡大として、機能性商品の拡充や、「世界のソース」「世界のサラダ料理」といった本格的な味わいを持つ新商品の投入、ECサイトの拡充などを進めている。
機能性商品としては、低カロリーノンオイルドレッシングやユーグレナ入りドレッシング、エッグフリーや粉末タイプのマヨネーズなど多様なニーズに対応する新商品を開発し、市場に投入している。また、ECサイトは7月にリニューアルし、チルド商品対応や、商品ラインナップの拡充(125品:2014年12月末時点)、ユーザーレビュー機能の追加などを行い、固定顧客層の開拓を進めている。
そのほかにも新たな取り組みとして、東芝<6502>と2014年11月に業務提携を発表している。内容は、同社から東芝に対するマヨネーズ・ドレッシング・ソース類に関わる提案や、サラダ専門店「Salad Cafe」のサラダに関する情報提供、東芝からは東芝が運営する工場野菜に関わるマーケティング及び販売ルート情報の提供や、両社によるコラボレーション商品の企画・製造・販売の検討などについて、協力していくというもの。
業務提携第一弾として、東芝の植物工場で生産した野菜に同社の粉末ドレッシングを添付したコラボレーション商品を2014年11月28日から「Salad Cafe」で販売を開始している。今後は、同商品を他の販売チャネルに乗せていくことも検討している。
○「サラダ料理」の確立、市場演出型企業の戦略
サラダ料理の確立、並びにサラダ市場の拡大に向けた取り組みとして、フードサービス業界向けにイベント開催による業態別メニュー提案を行っているほか、コーポレートサイトを活用した「サラダ料理レシピ」にも注力している。レシピ数は2014年3月末の約370のレシピから、12月末には約740レシピまで拡大している。また、メディアの活用としても、2013年10月より、関西のABCラジオで「サラダトーク〜お仕事カフェ〜」(毎週日曜日8時25分〜40分)を放送開始したのに続き、2014年10月からは関東でもTBSラジオ(毎週日曜日17時15分〜30分)で放送を開始している。
○サラダカフェブランドの推進・浸透
サラダカフェショップを通じて、消費者ニーズを把握すると同時に、ブランド力の向上を図っている。現在16店舗を関西・関東主要都市部に展開しており、今後も採算性を重視しながら店舗展開を進めていく方針だ。また、「サラダカフェ」ファンづくりのため、サラダ料理講習会(年5回)を実施しているほか、レシピ集の出版も行っている。
○人材育成、体制強化
人材育成に関して、今期より階層型研修(全員参加型)、選抜型研修(次期経営者向け及び中堅管理職の育成向け研修)を新たに実施している。また、体制強化としては新たな生産管理システムの2015年3月期中の導入を計画している。同管理システムでは工場業務の標準化・効率化や商品原価の見える化、トレーサビリティの強化などに対応しており、今後の生産効率の向上や、食の安心安全への更なる取組み強化となるものとして期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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