インテージHD Research Memo(2):最大規模を誇る消費者・小売店パネルが強み
[15/01/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
インテージホールディングス<4326>は日本の市場調査業界のリーディングカンパニーである。企業向けのマーケティングリサーチを主力とし、消費者と小売店両方のパネル調査網を持っているところに強みがある。1960年に市場調査の専門機関として創業以来、リサーチノウハウ、データ解析力、システム化技術と、これらに基づく情報評価力をコアコンピタンスとして事業を拡大し、21期連続の増収を続けている。国内トップの業界シェア(売上高)を誇るとともに、世界でも9位のポジションを確保している。
同社の事業セグメントは、市場調査・コンサルティング事業、システムソリューション事業、医薬品開発支援事業の3つに区分される。主力の市場調査・コンサルティング事業が、売上高の75.8%、営業利益の83.5%を占める(2015年3月期の第2四半期実績)。各事業の概要は以下のとおりである。
なお、同社グループは、権限と責任の明確化及び機動的かつ柔軟な経営判断による事業基盤の強化を目的として、2013年10月に持ち株会社体制へ移行。連結子会社22社と関係会社1社によって3つの事業を展開している(2014年9月末現在)。
(1)市場調査・コンサルティング事業
a)パネル調査
パネル調査とは、調査対象(人、世帯、店など)を長期間固定して継続的に調査することにより、時系列で市場動向を調査するサービスである。同社では、調査対象の人、世帯、店の分布については各都道府県の人口構成・性・年代等を考慮したうえで綿密に制度設計されており、調査で得られたデータを拡大推計することにより「日本の縮図」を再現できるとしている。
同社のパネル調査は大きく消費者パネル調査と小売店パネル調査に分けられる。
全国個人消費者パネル調査(SCI)は、全国の男女5万人から、食品・飲料・日用雑貨品・OTC医薬品の購買データを収集しており、この分野では日本最大規模を誇る。また、2013年から開始したシングルソースパネル(i-SSP)では、同一人物(シングルソース)から、PC、モバイル、テレビなどのメディア接触データと購買データを収集し、「情報接触」と「消費行動(購買・意識)」の因果関係を明確化できる世界的に見ても稀有な調査を実施している。
全国小売店パネル調査(SRI)は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、ドラッグストアなど全国約4,000店から収集したPOSデータにより販売動向を捉えており、こちらも日本最大規模となっている。また、創業時から続けてきた全国一般用医薬品パネル調査(SDI)は、全国の薬局、ドラッグストアやスーパーマーケットなど全国約3,200店を調査対象に、一般用医薬品や医薬部外品などヘルスケア商品に特化した販売動向の調査を行っている。
b)カスタムリサーチ
顧客のマーティング課題に基づき、テーマごとに最適な調査を設計し、調査票作成から実査(フィールドワーク)、集計、分析を受託するサービスである。最近はインターネット調査に注力しており、2014年1月には、ドコモ・インサイトマーケティング(NTTドコモ<9437>との合弁会社)との連携により、業界最大500万人超のインターネット調査モニター「マイティモニター」を構築。スマートフォンの特徴を活かしたエンタテイメント性の高いリサーチコンテンツとして、ドコモプレミアクラブ会員の素早いレスポンスを強みに持つスマホリサーチや、調査対象者からリアルタイムでレポートと写真を収集し、消費者インサイトを調査するレコーディングリサーチといった新たなサービスを展開している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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