インテージHD Research Memo(8):パートナーシップやプラットフォーム活用が着実に進展
[15/01/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■成長戦略
(2)成長戦略の主な進捗
2014年11月に、小売店パネル調査の強化の一環として、新たに生鮮食料品・惣菜POSデータのテスト提供を開始した。生鮮食料品はスーパーマーケットの売上の30〜40%を占めており、売場の“旬”を伝える商材が加わることで、更に調査の精度や幅を広げる効果が期待できる。なお、このデータは、同社と一橋大学、新日本スーパーマーケット協会との共同によるプロジェクト「流通・消費・経済指標開発プロジェクト」※にも取り込まれる予定である。
※インテージホールディングス<4326>が全国約750社、約4,000店舗から収集しているPOSデータをベースに、新たな経済指標として「消費者購買指数」を算出。日々変化する消費者の「支出」状況とともに、「価格」「数量」の変動を把握・分析するプロジェクトであり、2014年4月に設立された。社会インフラの構築に貢献することで、同社ブランド価値の向上に狙いがあると見られる。
また、2014年10月には、長くライバル関係にあった米ニールセンと小売店パネル調査の相互販売パートナーシップ契約を締結している。同社の日本国内小売店パネル調査データと米ニールセン社のもつ世界100ヶ国以上の小売店パネル調査データを両社の顧客に相互販売できる契約となっており、同社にとってはアジア進出ニーズが高いグローバル企業に対するサービス拡充につながる。
注力するメディアコミュニケーション事業については、2014年7月にデータ・マネジメント・プラットフォーム(DMP)「di-PiNK」を活用したサービスを開始したことで大きな進展が見られた。同社のシングルソースデータをベースに精度の高いターゲット設定をおこない、そこに顧客企業が自社で保有するデータ、NTTドコモが保有するデータ、提携パートナーが保有する多様なデータを統合することによりターゲットを拡張し、効果的なターゲティング広告の配信を可能とするサービスであり、プロモーション活動や商品開発などマーケティング活動を支援するものである。
ヘルスケア領域においても、アンケート形式で対話をおこないながら、OTC医薬品の詳細情報や試供品をターゲット層へダイレクトに届けるサービス「メディトライアル」の開始のほか、京都大学発のベンチャー企業への出資・業務提携、韓国の市場調査会社との合弁による韓国での子会社設立、アジア主要3ヶ国(日・中・韓)における医師パネル「Plamed Asia Panel」の構築に取り組むなど、グローバル展開における基盤づくりを進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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