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アドクリ Research Memo(4):広告代理店事業や再保険事業が好調に推移

注目トピックス 日本株

■業績動向

(1)2014年9月期の業績について

アドバンスクリエイト<8798>の11月11日付で発表された2014年9月期の連結業績は、売上高が前期比2.1%減の7,462百万円、営業利益が同12.6%減の1,131百万円、経常利益が同12.0%減の1,107百万円、当期純利益が同1.1%増の655百万円となった。

売上高は、保険代理店事業が前期比7.9%減と低迷したものの、広告代理店事業や再保険事業がそれぞれ好調に推移し、全体では同2.1%減にとどまった。売上原価率に関しては、情報メディアサイト「保険市場」の媒体価値向上や効率的なWebマーケティング施策を実施したことなどで、前期比2.6ポイント減と改善した。一方で、販管費率は人件費や支払手数料の増加に伴い、同4.4ポイント上昇したことで、営業利益率は15.2%と前期の17.0%から1.8ポイントの低下となった。また、当期純利益が増益となったが、これは特別損失が減少したことによる。2013年9月期は直営店舗の再編に伴う事業再編損失168百万円を計上していた。

事業セグメント別の動向は以下のとおり。

○保険代理店事業

保険代理店事業の営業収益は前期比5.5%減の6,911百万円、営業利益は同21.2%減の963百万円となった。2013年3月に実施した営業拠点の集約化の影響が期の前半まで続き、対面販売の契約数が大きく減少したことに加え、2016年度の保険業法改正に対応するために、社員教育の徹底、社内コンプライアンス体制や情報セキュリティの強化、提携先代理店への情報管理体制等の監査実施などに向け、積極的に経営資源を投下したことが減収減益の要因となった。また、国内景気の回復を背景に「貯蓄から投資」という流れが続いたことで、貯蓄性の高い保険商品の需要が冷え込んだことや、保険商品の見直し機運が後退したことなども契約件数の伸び悩みにつながったとみられる。

販売チャネル別の申込ANP(新契約年換算保険料)は合計で前期比15.7%減の8,576百万円となった。チャネル別を見ると、対面販売が前期比28.0%減の3,107百万円となったほか、通信販売が同9.9%減の3,547百万円、協業店が同0.3%減の1,922百万円とすべてのチャネルで減少となった。

協業店に関しては、保険業法改正に向けてコンプライアンス体制や顧客情報管理体制などの状況を厳格に精査した結果、提携代理店社数ベースで2013年9月末の301社から2014年9月末は216社と約28%減少したが、新規契約に与える影響は軽微であった。また、保険契約件数は446千件と前期比で7.6%増と順調に拡大している。

申込ANPが15.7%減と2ケタ減となったのに対して、営業収益が5.5%減と落ち込みが小幅にとどまったのは、既存契約分の継続手数料収入が増加したこと、手数料率が相対的に低い貯蓄性保険商品の落ち込みが大きかったことなどが影響しているとみられる。

○広告代理店事業

広告代理店事業の売上高は前期比106.8%増の389百万円(社内向け売上含む)、営業利益は同161.8%増の83百万円と大幅な増収増益となった。2年前より著名人のコラムをサイト内に開設するなど情報コンテンツの拡充に取り組んできたことで、「保険市場」の情報サイトとしての媒体価値が上昇し、顧客である保険会社を中心に広告販売が急増した。

○再保険事業

再保険事業の売上高は前期比68.1%増の453百万円、営業利益は同121.5%増の81百万円となった。再保険事業は前述したようにストック型のビジネスモデルであり、一定の粗利益率が確保できる事業となっている。現在8社の再保険を引き受けているが、今後も引受額の拡大を進めながら、収益を伸ばしていく方針となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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