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【2015年の相場展望】(B)注目テーマ(3/8):TPP・農業

注目トピックス 日本株

1月29日にフィスコが開催した個人投資家向けセミナー「FISCOアプリで読み解く2015年の相場展望」では、注目8テーマを取り上げ、アナリストの佐藤勝己が解説した。うち、「TPP・農業」の主な講演内容と関連銘柄は以下の通り。



【TPP・農業のテーマ概要】

■4-5月にTPPは大筋合意か
安倍首相が4-5月の大型連休中に訪米の方向と伝わっており、そこに向けてTPPが大筋合意となる可能性が高まってきている。統一地方選が終わり農業票への懸念が低下する局面になること、米国でも上下両院で大企業寄りの共和党が多数派となったことから、TPP大筋合意に向けた進展が期待される状況に。米通商代表は2ヶ月以内に妥結の意向とも伝わっている。

■農業関連ではメリット享受も
TPPは成長戦略のシンボル的なテーマでもあり、TPP交渉の進展はアベノミクスへの評価をあらためて高めさせることにもつながろう。一方で、TPPデメリット業種である農業に関しては、早い段階で競争力強化に向けた政策などが打ち出されよう。とりわけ、企業の農業への参入要件緩和などでメリットを受ける銘柄などが注目される。

輸出入品目の拡大に伴って卸売り各社は業容拡大に直結しよう。総合商社では、食料品分野のウェイトが相対的に高い丸紅<8002>が注目される。食品卸大手の三菱食品<7451>にも期待するほか、コメ卸の木徳神糧<2700>やヤマタネ<9305>なども物色のシンボル的な存在か。

食品の輸出入活発化に伴って、ニチレイ<2871>などは冷凍倉庫での優位性の高さが期待される。ケイヒン<9312>なども材料性が強く倉庫株の一角として関心。鴻池運輸などには輸送量の拡大が想定される。

TPP導入推進に伴って農業政策も一段と活発化の公算。クボタや井関農機などは農業機械の大型化・高付加価値化で恩恵大きい。非全農系で注目されるアグロカネショウのほか、クミアイ化などの農薬メーカー、さらには農業生産法人への規制緩和でワタミにも注目。

■TPP実施で輸出入が活発化
自動車などの輸出メーカーにはメリット、特に北米向けの構成比が高い富士重<7270>はこの観点から注目度大。一方、プリマハム<2281>や伊藤ハム<2284>などは輸入価格の低下がメリットに。ペッパーフード<3053>など外食店でもメリットが期待される。

フィスコ個人投資家向けセミナー
「FISCOアプリで読み解く2015年の相場展望」
セミナー資料より抜粋

(アナリスト 佐藤勝己)



【TPP・農業関連銘柄】

8002 丸紅   総合商社では食料品分野のウェイトが相対的に高い
2871 ニチレイ 食品の輸出入増大に伴い冷凍倉庫での優位性に期待
2700 木徳神糧 コメ卸としてトップクラス
6310 井関農機 農業機械の大型化・高付加価値化
9312 ケイヒン 倉庫株の一角として
4955 アグロカネショウ 非全農系で注目される農薬会社
2281 プリマハム 輸入価格の低下がメリットに
9025 鴻池運輸 輸送量の拡大を想定
7270 富士重  北米向けの構成比が高い
7451 三菱食品 食品卸大手でビジネスチャンス拡大へ
6326 クボタ  農機の大型化・高付加価値化で恩恵
9305 ヤマタネ 農業関連のシンボル的存在
7522 ワタミ  農業生産法人への規制緩和で注目
2284 伊藤ハム 輸入価格の低下がメリットに
3053 ペッパーフード 牛肉系でメリット
4996 クミアイ化学 農薬メーカー


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