【2015年の相場展望】(B)注目テーマ(8/8):SEの2015年問題
[15/02/04]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
1月29日にフィスコが開催した個人投資家向けセミナー「FISCOアプリで読み解く2015年の相場展望」では、注目8テーマを取り上げ、アナリストの佐藤勝己が解説した。うち、「SEの2015年問題」の主な講演内容と関連銘柄は以下の通り。
【SE2015年問題のテーマ概要】
■重なる大規模案件で人材不足は一段と深刻化
2015年はIT人材の不足が一段と深刻になると懸念されている。マイナンバー制度のスタートに加えて、電力小売り全面自由化に向けたシステム導入、金融機関の大規模案件などが重なるためだ。
金融機関では、日本郵政が2014年度から3カ年の中期経営計画で4900億円を投じてシステムを刷新中。2016年度にはかんぽ生命保険が管理システムを再構築へ。みずほFG<8411>傘下のみずほ銀行では3千数百億円を投じる勘定系システムの刷新・統合プロジェクトを並行。2015年は最も人手を必要とするシステム開発とテストの作業が続くと予想される。さらには、日本取引所グループのデリバティブ売買システムの全面刷新なども予定されている。
マイナンバー関連需要は3兆円との試算。2015年10月をメドに、市町村が個人番号を記載した紙の通知カードを郵送、2016年1月からは番号情報が入ったICチップを埋め込んだ、顔写真付きの個人番号カードを市町村の窓口で配布する計画。
■マイナンバーと金融、郵政、関連分野に注目
マイナンバー関連のほか、金融機関に強みを持つIT各社、郵政関連銘柄、さらにはIT関連分野の人材派遣や業務請負を手掛ける銘柄などが注目される。
関連銘柄としては、NTTデータ<9613>を筆頭に、富士通<6702>、日立<6501>、NEC<6701>などが官公庁需要で強み。民間向けでは、SCSK<9719>、オービック<4684>、ITHD<3626>、OBC<4733>、大塚商会<4768>などが中心銘柄となろう。ちなみに、富士通、日立、NTTデータはみずほ銀行の新システムも手掛ける予定。
電算システムは、「ふるさと小包」の送り状処理など郵政関連のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のほか、コンビニ収納代行サービスである「ゆうちょ振替MT代行サービス」を展開する。
ITbook<3742>は、地方自治体のITコンサルティング業務において、1億円単位の大型案件も数件獲得。
アイネス<9742>は、公共機関向けに強みを持つ情報処理大手で、地方自治体向けWeb型の総合行政情報システム「ウェブリングス」のなどの拡販に注力しており、マイナンバー制度が導入されれば、自治体の業務システムの改修が必要となる。
ラック<3857>などの情報セキュリティ銘柄や、SHIFT<3697>などのテスト業務関連にも関心を向けたい。
フィスコ個人投資家向けセミナー
「FISCOアプリで読み解く2015年の相場展望」
セミナー資料より抜粋
(アナリスト 佐藤勝己)
■SE2015年問題関連銘柄
9613 NTTデータ 官公庁需要が大きい
9719 SCSK 民間向け関連需要取り込みに期待
4684 オービック ERPなどで関連特需取り込みへ
3626 ITHD 金融向けに強いIT大手
9682 DTS 年金系のシステム開発を得意とする
3630 電算システム 郵政、郵貯関連のアウトソーシングなど
3742 ITbook 地方自治体のITコンサル
6702 富士通 IT大手で官公庁需要が大きい
6501 日立製作所 官公庁需要、民間需要とも大きい
4733 OBC 奉行シリーズなど民需も
4768 大塚商会 IT大手。システム構築や保守も
9742 アイネス 地方自治体向け総合行政情報システムに注力
3857 ラック 情報セキュリティ銘柄に関心
9759 NSD 金融機関向けのシステムで定評
6701 NEC 官公庁向け需要で強み
3697 SHIFT テストのアウトソーシング需要が増大へ
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