【2015年の相場展望】(D)注目企業に訊く(1/5):シュッピン(訂正)
[15/02/12]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
1月29日にフィスコが開催した個人投資家向けセミナー「FISCOアプリで読み解く2015年の相場展望」では、注目企業として「シュッピン<3179>」「SHIFT<3697>」「アバント<3836>」「アドベンチャー<6030>」「アデランス<8170>」を取り上げ、アナリストの小林あやと、各社のIR担当者との質疑応答を実施した。うち、「シュッピン<3179>」の主な内容は以下の通り。
■シュッピン<3179>の事業概要
カメラ、時計、筆記具、自転車などの新品・中古品を店頭およびネットで販売する。特徴は、ECに軸足を置くこと、高額で専門性が高い商品に絞っていること。さらに、リアルの店舗も構えて「実際の商品を自分の目で見て確かめたい」という顧客にも対応することで、ネットオークションや他のECサイトなどネット系のみの事業者との差別化を図っている。
■フィスコの注目ポイント
・高額な中古品を見分けるエキスパートの存在
一眼レフカメラや海外製腕時計など高額な中古品のEC化は、コピー品や不具合などの不安があるため困難とされる。このようななか、同社は商品知識の高いエキスパートを配置し、詳細な査定を行っているため、ハイアマチュアを中心に支持されて、事業が拡大している。
・参入障壁の高さ
まず、値崩れしにくい高額品(カメラ、時計、筆記具、自転車)に商材を絞る。次に、買取価格を高くして、商品を集めやすくする。高い買取価格を、徹底したローコストオペレーションで支える。中古品に加えて新品も取り扱うほか、リアル店舗販売にネット販売を組み合わせることで、商品回転率を高める。これらにより、他社が参入しにくい好循環を築いている。
・足元の月次販売が好調
12月の月次売上高は前年同月比31.2%増と過去最高を更新。足元で訪日外国人の需要が堅調とみられる。
■質疑応答
Q:事業モデルについての質問です。御社はインターネットを積極的に活用しつつ、店舗では投資を極力少なくし、徹底したローコストオペレーションを実践しています。一方、足元では訪日外国人など免税利用者の増加で店舗の売上高比率が上昇しています。訪日外国人の増加が期待されるなか、新たな店舗戦略・地域展開等といった戦略変更の可能性はありますか?
A:ありがたいことに多くの訪日外国人のお客様に店舗でご利用いただいており、今後のその数は増加していくものと思います。ただし、店舗数を増やしていく方針はありません。理由としましては、インターネットを主軸にして成長している戦略をブラしたくないからです。店舗を増やすと確実に売り上げを取れると思いますが、そうすると安易に店舗に頼るようになり、インターネットでの工夫をしなくなってしまう恐れがあるためです。
Q:インバウンド消費は、「爆買い」などと呼ばれるように、日本人客とは消費行動が大きく違うとみられます。一方、仕入れの観点では、これに応じた商品を確保しないと機会損失につながりかねません。インバウンド消費に向けた仕入れ戦略や取組みは?
A:現在のところ、新品を買われる比率が高くなります。1人で同じカメラを何台も購入される方も少なくありませんが、そのような方はほとんど新品を購入されています。当社は中古を扱いながら、新品を各メーカーと正規で取引できている会社です。メーカーとのパイプも非常に強く、新品を問題なく直接仕入れできますので、確保できない状況にはありません。
Q:御社の取扱い品目のなかでも、特に時計については高額で工芸品の色彩が強いため店舗での取引が多いと考えられます。既にカメラで成功されているように、時計においてもEC比率の向上によって利益率を拡大していくための施策はありますか?また、足元でのスイスフラン急伸によってスイス高級時計の需要が急拡大していますが、そのための商品確保施策はどうでしょうか?
A:時計でもECで購入いただけるように工夫しています。例えば3000万画素超の超高画質画像を掲載し、機械式時計のムーブメントをクリアに見ることができるようなコンテンツも用意しています。また、カメラと同様に画像だけでなく、商品に対する説明、コンディションのコメント等の充実も図っています。また買取の方もECで行えるように、カメラのノウハウを活かし、買取データベースを構築し、EC上で買取概算額の提示も行えるようにしています。時計業界でこのような取組を行っている会社はほとんどありません。おっしゃる通りスイスフラン急伸により、各社が新品価格を上げていきますので、足元では需要が拡大しています。もともと時計は売上を伸ばすため、売上成長以上に価値ある財庫の拡充を図って参りました。その結果、第2四半期末時点の商品在庫20億円のうち、10億円が時計の在庫となっております。従って、需要に対応するための確保は既にある程度できております。
フィスコ個人投資家向けセミナー
「FISCOアプリで読み解く2015年の相場展望」
2015年1月29日(木)18:30〜21:00開催
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