サイオス Research Memo(5):売上高は3期連続で過去最高を更新、先行投資の積極化で利益は減益
[15/03/13]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■決算動向
(1)2014年12月期決算
サイオステクノロジー<3744>の2月2日付で発表された2014年12月期の連結業績は、売上高が前期比11.2%増の7,367百万円、営業利益が同73.4%減の65百万円、経常利益が同69.3%減の81百万円、当期純利益が同64.5%減の39百万円と増収減益決算となった。また、同社が経営指標として重視しているEBITDAも前期比61.1%減の125百万円となっている。
MFP向けソフトウェアを中心にWebアプリケーション事業が前期比24.9%増と好調に推移し、売上高は3期連続で過去最高を更新したが、将来の成長に向けた先行投資を積極化したことで、利益ベースでは4期ぶりの減益となった。特に、販管費が前期比450百万円増となったことが減益要因となっているが、主な増加要因としては、新製品開発のための研究開発費増で190百万円、営業人員を中心に積極採用をしたことによる人件費増で139百万円、販売支援費の増加で70百万円となっている。なお、特別利益として投資有価証券売却益88百万円を計上している。事業別の動向は以下のとおり。
○オープンシステム基盤事業
当期の売上高は前期比5.7%増の5,007百万円、セグメント損失は37百万円(前期は256百万円の利益)と増収減益となった。
分野別の売上動向を見ると、「LifeKeeper」が前期からの大型受注案件の減少により、横ばいにとどまったものの、Red Hat関連商品やOSSサポートサービス及び関連製品の販売が堅調に推移した。また、海外売上も前期比14.8%増の451百万円となり、欧米、アジアとすべての地域で増収となった。
一方、利益面では新製品となる「SIOS IQTM」の開発推進や、将来の収益貢献を見据えた人員の積極採用を進めるなど、先行投資負担がかさんだこと、また、「Red Hat Enterprise Linux」の利益率が競争激化により低下したことが減益要因となった。Linux市場が年率1ケタ成長と安定成長期に入るなかで、「Red Hat Enterprise Linux」は他のSI事業者やコンピュータメーカー(バンドル製品として組込み)、Windows系との販売競争が激化している状況にある。
○Webアプリケーション事業
当期の売上高は前期比24.9%増の2,360百万円、セグメント利益は103百万円(前期は10百万円の損失)と増収増益となった。セグメント利益の黒字化は、セグメント別業績の開示以降、初めてとなる。
MFP向けソフトウェア製品が大幅伸長し、同事業での主力製品に育ってきたほか、Google Apps連携の「Gluegentシリーズ」や、新たな事業分野であるビッグデータソリューションなどの売上げも順調に推移した。
利益面では、新製品・サービスのための開発費や人員採用を積極的に行ったことで販管費は増加したものの、増収効果で吸収する格好となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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