あらた Research Memo(4):中間的な立ち位置から仕入先・販売先双方に有用な情報を発信
[15/03/17]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■会社概要
(3)同社の強み
あらた<2733>の強みとしては、「中間流通業が持つサプライチェーン全体を網羅する情報蓄積」「蓄積された情報を活用した店頭提案と小売業を支える在庫の効率化」「ローコストで高精度な物流機能」が挙げられる。
○中間流通業が持つサプライチェーン全体を網羅する情報蓄積
同社は約4.5万店舗から日々集まる商品別の売上げ情報や在庫量、約1,300社からなる取引先メーカーからの新製品情報などを社内の情報システムで一元管理し、中間的な立ち位置から、双方にとって有用な情報を迅速に発信することを実現している。広域に張り巡らされたネットワークによって日々集まる膨大な情報量は、顧客店頭において消費者ニーズを満足させる売り場をつくりあげていくための最大の強みとなっている。
○蓄積された情報を利用した店頭提案と小売業を支える在庫の効率化
顧客となる小売店舗にとっての目標は「売上の拡大」であり、そのためには「売れる売り場づくり」が必要となる。同社では全国に配置されている約1,000名の営業担当者がPDCA活動を行うことで、その実現を支援している。
Plan(企画・提案)では52週提案や、3ヶ月先行提案、棚割りの提案などをPOSデータ等活用しながら実施している。Do(店頭の演出・販促)では、次世代型の店頭演出や消費者にとって楽しく見やすい売り場づくりを行う。次世代型の店頭演出とは、地域のマス広告を使ったメーカーの販促施策と、店頭での販促活動を連動させた売り場づくりのことで、顧客店舗における販促効果の最大化を目指している。マスメディア広告との連携においては関連会社の電通リテールマーケティングと連携して行っており、同業他社にはない同社の特徴と言える。Check(店頭チェック)では、決まった担当者が、決まった日に、決まった店舗に訪問する「定期・定人・定店」が同社のコンセプトとなっており、顧客との信頼関係構築をより強固なものとしている。最後のAction(報告・共有)では、営業担当者が顧客店舗を訪問した際の情報を逐次、社内情報システムに入力し、会社全体で情報の共有を図ることができる「店頭ナビ」というシステムを有している。
○ローコストで高精度な物流機能
同社の物流センターでは「AiMAS(アイマス)※」などの最新の物流エンジニアリングを導入しており、多品種少量の商品を極めて高い精度で顧客へ配送するシステムを構築している。また、仕分け時間の短縮やスペースの効率化を実現することで、ローコスト運営も進めている。
※AiMAS(アイマス):バーコードリーダーとハカリを搭載して重量検品するカート。バーコードのスキャンにより「商品違い」、ハカリの重量検知により「数量違い」、どのハカリが検知したかにより「納品先違い」をなくし、誤配送率10万分の1未満の高い納品精度を実現する。歩行距離を30%削減し、作業者の負荷軽減にも寄与している。
なお、現在の物流拠点は主要な物流センター9拠点を核にして、全国に20拠点以上を整備している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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