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伊藤忠エネクス Research Memo(8):第3四半期は減収ながら営業増益、全体的には計画どおりの進捗

注目トピックス 日本株

■2015年3月期の第3四半期決算と通期見通し

(1)第3四半期決算
伊藤忠エネクス<8133>の2015年3月期の第3四半期は、売上高(日本の会計慣行参考値)1,064,849百万円(前年同期比2.2%減)、営業活動に係る利益9,638百万円(同16.5%増)、税引前利益8,795百万円(同12.2%減)、四半期利益5,342百万円(同8.1%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益4,664百万円(同8.7%減)となった。全体としてはほぼ計画どおりの進捗状況であり、2015年3月期の通期予想は従来どおりで変化はない。

事業部門別の概況は以下のとおりだ。

ホームライフ事業では中核のLPガス販売事業において販売数量は前年並みが確保できており、原料費調整制度で一定のマージンも確保できている。しかしながら、原油価格急落の影響でLPガスの販売価格が下落し、軒下在庫とジャパンガスエナジーの法定備蓄在庫にかかる分の利幅が圧縮されたことで、売上総利益が減益となった。

カーライフ事業は増収増益となったが、これは大阪カーライフグループ(株)(以下、OCG)買収による収益が上乗せとなっているためである。OCGの売上高は約54,400百万円となった模様で、OCGの影響を除いたベースでは減収であった。利益面では税引前当期利益は前年同期比約600百万円の増益となった。このうち約450百万円はOCGの要因であり、実質的には150百万円の増益であった。ガソリン価格が急落した10月−12月期に需要が増加となり、ガソリン以外のサービスの売上高も増加して、第2四半期までの低調さを一気に回復した。

電力・ユーティリティ事業では、火力発電所の定期検査の影響で電力の発電量・販売量ともに前年同期を下回ったが、これは計画どおりである。販売先として小売向け販売電力が増加し、これはプラスに効いたとみられる。熱供給事業では、夏場の天候不順で冷房需要が落ち込んだ影響で販売量は減少した。しかし原材料コスト削減で吸収して増益を確保した。税引前利益は関係会社株式売却益が今年はなかったために減益となった。

エネルギートレード事業では、アスファルト事業の採算が原油価格下落の影響で急速に悪化した。販売数量も工期遅れなどの影響で前年割れとなっている。アスファルトの不振を船舶燃料やアドブルー(トラックのNOx低減のために使用する尿素水)、あるいは石油製品トレードなどの他の事業でカバーして、前年同期比減収ながら増益を達成した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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