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デリカフーズ Research Memo(7):小売業界向けの新規顧客開拓を進める

注目トピックス 日本株

■中期経営計画

(3)小売業界向けを開拓

新FSセンターの稼働によって、カット野菜の生産能力が大幅に増強されることになるが、デリカフーズ<3392>では今後、食品スーパーやコンビニエンスストアなど小売業界向けの新規顧客開拓を進めていく戦略だ。現状では10%にも満たない比率であるが、今後、こうした小売業界向けにおいても同社の強みが発揮されるとみている。

その契機となるのが、2015年4月からの食品表示法の改正(機能性表示の解禁)である。当初は加工食品が中心であり、野菜など生鮮食品に関しては2年後を目途とした解禁となりそうだが、既に小売業界においても野菜の機能性表示に対する関心度は高まっている。子会社のデザイナーフーズ(株)では、野菜の機能性表示に関するセミナーやコンサルティングを行っているが、従来は外食企業が中心であったが、ここにきて小売企業も増加傾向にあると言う。小売店舗においても、他社との差別化戦略で、機能性表示をいかに効果的に消費者に訴求していくことができるかが課題となっているためだ。

既に、具体的な取り組みを始めた企業も出ている。生鮮食料品スーパーのマミーマート<9823>では、さいたま新都心店でデザイナーフーズが指導した「食のコンシェルジュ」を配置し、機能性野菜に関する相談サービスを始めた。同様のオファーが他のスーパーからも増えているという。同社ではこうした取り組みを通じて、本業である野菜物流の契約獲得につなげていく戦略だ。その他、小売業界向けに関してはソースやタレなどを付加したキット商品の売上拡大も進めていく。

○農林水産省の「革新的技術緊急展開事業」公募研究に採択
3月3日付で、農林水産省の「革新的技術緊急展開事業(産学の英知を結集した革新的な技術体系の確立)」に関する公募研究テーマの1つとして、デザイナーフーズの「野菜摂取による生体内酸化ストレス抑制効果の極微量血液を用いた迅速簡便低コストな機能性評価システム開発と実証」が採択されたと発表した。

同研究では、生鮮食品(トマト等)の摂取前後における生体内の抗酸化力評価を簡便に行う方法の開発と実証を行っていく(事業期間は2015年2月24日~2016年3月末)。生鮮食品の機能性評価は加工食品と違って、その産地や収穫時期などによって異なるため、機能性表示をどのようにして行うかが課題となっているが、今回の研究テーマでは、こうした生鮮食品の機能性評価を簡便にするための、新たな評価方法の開発と実証をデザイナーフーズが研究代表機関として行い、業界を主導していくことになる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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