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きちり Research Memo(4):営業利益は増収効果と費用一巡で2ケタ増益

注目トピックス 日本株

■決算動向

(1)2015年6月期第2四半期累計業績

きちり<3082>の2月6日付で発表された2015年6月期第2四半期累計(2014年7月-12月期)の業績は、売上高が前年同期比4.5%増の3,588百万円、営業利益が同32.4%増の291百万円、経常利益が同18.9%増の284百万円、四半期純利益が同21.5%増の172百万円と増収増益決算となった。

売上高は、「KICHIRI」を中心とした既存店売上が前年同期比0.8%増と堅調に推移したほか、10月に「KICHIRI」3店舗を新たに出店(千葉・柏店、東京・Garden Table北千住店、東京・MOLLIS新宿通り店)した効果により、半期ベースで過去最高を更新した。

営業利益は、増収効果に加えて前年同期に計上したPFS事業における人材強化費用や、株式上場準備費用などが一巡したこともあり、前年同期比で2ケタ増益に、半期ベースでは2年ぶりに過去最高を更新した。

なお、市場環境としては、食材コストの上昇や人材採用難による人件費コストの負担増などの懸念があったが、食材コストについては、多品目の食材を扱う中でメニュー調整を行うことで吸収したほか、PFS事業の契約店舗数増加によるスケールメリットを生かした仕入活動を行ったこともプラスに寄与し、売上原価率では前年同期比0.4ポイント低下の25.2%となった。

また、人材採用難という問題に対しても、同社は3年前より新卒採用に注力してきており、店舗での人員が不足すれば若手社員を現場に配置することでカバーすることができ、採用難の影響は限定的であった。実際、人件費率は前年同期の27.1%から26.3%に低下している。なお、現状の店舗における正社員と非正規社員の比率は2:8程度だが、今後は正社員の比率が高まってくるとみており、新卒採用を引き続き強化していく方針で、2015年4月も新卒採用人員は80名超の規模となっている。

期初会社計画比で売上高、利益ともに若干下回る格好となったが、これは新規出店した柏店、北千住店において、顧客の認知が進むまで時間を要したことで、立ち上がりが鈍かったことが主因となっている。ただ、これら新店舗に関しては12月の繁忙期を経て、1月以降はいずれも当初計画どおりの売上水準になっていると言う。

なお、PFS事業の売上高は前期比横ばいの40百万円程度となった。クラウドサービス活用型の契約店舗数は前述したとおり前期末の100店舗から320店舗に拡大したものの、現在はクラウドサービス開始の前段階となるコンサルティングを行っている段階にあり、下期以降の収益貢献が見込まれる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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