カイオム Research Memo(2):完全ヒト抗体の作製は実用化レベルの技術が完成
[15/03/31]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
(1)ADLib(R)システムとは
カイオム・バイオサイエンス<4583>のコア技術であるADLib(R)システムとは、理研によって2002年に開発された抗体作製技術で、現在は同社と理研で特許を持っている。ADLib(R)システムによる抗体作製法を簡単に説明すると、まずニワトリ由来の培養細胞株であるDT40細胞が持つ抗体遺伝子の組み換えを活性化することにより、抗体タンパクの多様性を増大させ、目的の抗原に結合する細胞のみを磁気ビーズに付着して回収し、その後1週間程度培養することによって所望の抗体を獲得する、といった手順となる。
現在、上市されている抗体医薬品は、既存の抗体作製技術であるマウスハイブリドーマ法やファージ・ディスプレイ法で作製された抗体によるもので、これら既存技術とADLib(R)システムとの違いは表のとおりとなっている。
従来、課題とされてきた完全ヒト抗体の作製に関しては、2014年3月に実用化レベルでの技術が完成したことを発表しており、本格的な事業化に向けためどが立ったと考えられる。完全ヒト抗体ADLib(R)システムとは、DT40細胞の持つニワトリ抗体の遺伝子をヒト人工遺伝子に置換し、ヒト抗体として医薬候補抗体の取得を実現する技術となる。この完全ヒト抗体の実用化に関しては、既存法との比較で唯一遅れていた部分でもあるだけに、今後の事業展開に向けて意義の大きい進歩であったと評価される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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