タマホーム<1419> 再成長に向けた事業基盤を構築
[15/04/01]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』3月30日放送において、タマホーム<1419>を取り上げている。主な内容は以下の通り。
■注目ポイント
同社は業績を再度、成長軌道に乗せるための新中期経営計画「タマステップ2018」を発表。「“面” の展開から、“層”の拡大による成長へ」を基本方針として、新たな成長軌道の基盤をつくっていく計画。主力の注文住宅では、ローエンドからハイエンドまで価格帯ごとに3つの販売チャネルを構築し、新たな顧客層の開拓を進めていく。また、戸建分譲事業やリフォーム事業などの強化も進めていくほか、住宅関連事業の成長ポテンシャルが高いインドや中国での展開も進めていく方針。上場以降、長期的な下降トレンドが継続しており、上場来安値水準での推移が続いているが、新たな成長軌道への基盤づくりを受けて、見直しの流れが強まる相場展開に期待したい。
■事業概要
同社の事業セグメントは、住宅事業、不動産事業、金融事業、その他事業の4つの事業で開示されている。売上高構成比は住宅事業で約9割と大半を占めており、残りを不動産事業、金融事業、その他事業で占める構成となっている。
(1)住宅事業の主力は、注文住宅の建築請負事業。設立当初から注文住宅としては画期的な低価格を実現し、ロードサイド型の独立型店舗の全国展開と、積極的な広告宣伝活動による集客戦略によって急成長を続けてきた。
(2)不動産事業では、戸建分譲やマンション分譲のほか、ビル1 棟もしくはフロアー単位で借り受けて、転貸するサブリース事業などが含まれる。また、分譲用地として取得した土地を売却するケースもある。
(3)金融事業では、主に住宅購入者向けの火災保険や地震保険など各種保険の販売代理業務のほか、子会社のタマファイナンスにて住宅購入資金の本融資実行までのつなぎ融資サービスを行っている。
(4)その他事業には、子会社で展開する広告代理業のほか、家具販売・インテリア工事の請負、地盤保証などの住宅周辺事業、障がい者雇用支援のための農業事業、海外事業などが含まれる。
■足元の業績
2015年5月期の第2四半期累計(2014年6月−11月)の連結業績は、売上高で前年同期比8.5%減の66,966百万円、営業損失で1,520百万円(前年同期は28百万円の黒字)、経常損失で1,523百万円(同37百万円の黒字)、四半期純損失で1,435百万円(同264百万円の損失)となった。
消費税率の引き上げにより、駆け込み需要の反動減が想定以上に長引き、主力の注文住宅の販売が大きく落ち込んだことが主因。売上総利益率は販売構成の変化や注文住宅の平均販売価格の上昇などによってほぼ前年同期並みの水準となったほか、販管費も前年同期並みに抑えたが、売上減による総利益の減少により営業損失は1,520百万円に悪化した。
■2015年5月期の連結業績見通し
2015年5月期の連結業績は、売上高で前期比11.9%減の149,276百万円、営業利益で同50.4%減の2,269百万円、経常利益で同59.9%減の1,807百万円、当期純利益で同97.7%減の39百万円となる見通し。期初会社計画からは売上高で15,623百万円、営業利益で2,330百万円の下方修正となる。
上期の受注実績からするとハードルはやや高い印象であり、若干の下振れリスクは残る。とはいえ、受注ベースで見れば、2014年10月以降は前年同月比でプラスに転じており、四半期ベースで見ても受注に底打ち感がみられることから、今後は回復トレンドが続くものと予想される。
■中期経営計画
2015年5月期の第2四半期決算の発表と同時に、新中期経営計画「タマステップ2018」を発表した。今回の中期計画では、外部環境の変化によって従来の成長戦略の転換が必要と認識し、新たな成長戦略を打ち出したことがポイントとなっている。
同社の強みであった「低価格で品質の良い住宅」を供給するというビジネスモデルを競合企業が導入するようになり、従来同社が顧客ターゲットとしてきた領域において、競争が激化。積極的な店舗出店によって営業エリアを一気に全国に拡大したことも、同社が短期間で高成長を遂げてきた要因となっているが、全都道府県に進出を果たしたことで、営業エリアの拡大による成長余地が少なくなってきている。
こうした現状を打破し、再成長に向けた事業基盤を構築するため、同社は「“面” の展開から、“層” の拡大による成長へ」を中期計画の基本方針として打ち出した。“面” の展開とは営業エリアの拡大による成長を指し、“層” の拡大とは、多様な商品・サービスを展開することで顧客層の拡大を図っていくことを意味している。
既存の商品の対象顧客は、年収600 〜 700 万円の世帯をメインターゲットとし、住宅価格では1,600〜 1,700 万円レンジの商品を販売しているが、この既存ラインに加えて高所得者向けのハイライン、低所得者向けのベーシックラインと3 つの商品カテゴリーを作り、各カテゴリーで販売チャネルを設けて、最適な営業スタイルで事業展開を進めていく計画。
■新規事業
新規事業としては、不動産仲介事業を収益源として確立させていく。同事業による直接的な売上、利益へのインパクトは小さいが、同事業を展開していくことで注文住宅事業や戸建分譲住宅事業への送客が可能となり、相乗効果は大きいと言える。
また、海外事業に関しては住宅関連事業で成長の見込めるインド、中国に経営リソースを集中投入する。インドでは戸建住宅の請負事業を、中国ではマンションの内装工事事業をそれぞれ現地企業と共同で展開していきたい考えだ。
■経営目標値
中期計画における経営目標値として、2018 年5 月期に連結売上高で201,189 百万円(2015年5 月期予想149,276 百万円)、営業利益で7,073 百万円(同2,269 百万円)、営業利益率で3.5% (同1.5%)、ROE で15% (同0.3%)、D/E レシオで1.2 倍(同1.2 倍) を目標として掲げた。3 ヶ年計画の中では2016 年5 月期までが成長に向けた基盤構築づくりの期間となり、2017 年5 月期以降に収益成長が加速する格好となる。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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■注目ポイント
同社は業績を再度、成長軌道に乗せるための新中期経営計画「タマステップ2018」を発表。「“面” の展開から、“層”の拡大による成長へ」を基本方針として、新たな成長軌道の基盤をつくっていく計画。主力の注文住宅では、ローエンドからハイエンドまで価格帯ごとに3つの販売チャネルを構築し、新たな顧客層の開拓を進めていく。また、戸建分譲事業やリフォーム事業などの強化も進めていくほか、住宅関連事業の成長ポテンシャルが高いインドや中国での展開も進めていく方針。上場以降、長期的な下降トレンドが継続しており、上場来安値水準での推移が続いているが、新たな成長軌道への基盤づくりを受けて、見直しの流れが強まる相場展開に期待したい。
■事業概要
同社の事業セグメントは、住宅事業、不動産事業、金融事業、その他事業の4つの事業で開示されている。売上高構成比は住宅事業で約9割と大半を占めており、残りを不動産事業、金融事業、その他事業で占める構成となっている。
(1)住宅事業の主力は、注文住宅の建築請負事業。設立当初から注文住宅としては画期的な低価格を実現し、ロードサイド型の独立型店舗の全国展開と、積極的な広告宣伝活動による集客戦略によって急成長を続けてきた。
(2)不動産事業では、戸建分譲やマンション分譲のほか、ビル1 棟もしくはフロアー単位で借り受けて、転貸するサブリース事業などが含まれる。また、分譲用地として取得した土地を売却するケースもある。
(3)金融事業では、主に住宅購入者向けの火災保険や地震保険など各種保険の販売代理業務のほか、子会社のタマファイナンスにて住宅購入資金の本融資実行までのつなぎ融資サービスを行っている。
(4)その他事業には、子会社で展開する広告代理業のほか、家具販売・インテリア工事の請負、地盤保証などの住宅周辺事業、障がい者雇用支援のための農業事業、海外事業などが含まれる。
■足元の業績
2015年5月期の第2四半期累計(2014年6月−11月)の連結業績は、売上高で前年同期比8.5%減の66,966百万円、営業損失で1,520百万円(前年同期は28百万円の黒字)、経常損失で1,523百万円(同37百万円の黒字)、四半期純損失で1,435百万円(同264百万円の損失)となった。
消費税率の引き上げにより、駆け込み需要の反動減が想定以上に長引き、主力の注文住宅の販売が大きく落ち込んだことが主因。売上総利益率は販売構成の変化や注文住宅の平均販売価格の上昇などによってほぼ前年同期並みの水準となったほか、販管費も前年同期並みに抑えたが、売上減による総利益の減少により営業損失は1,520百万円に悪化した。
■2015年5月期の連結業績見通し
2015年5月期の連結業績は、売上高で前期比11.9%減の149,276百万円、営業利益で同50.4%減の2,269百万円、経常利益で同59.9%減の1,807百万円、当期純利益で同97.7%減の39百万円となる見通し。期初会社計画からは売上高で15,623百万円、営業利益で2,330百万円の下方修正となる。
上期の受注実績からするとハードルはやや高い印象であり、若干の下振れリスクは残る。とはいえ、受注ベースで見れば、2014年10月以降は前年同月比でプラスに転じており、四半期ベースで見ても受注に底打ち感がみられることから、今後は回復トレンドが続くものと予想される。
■中期経営計画
2015年5月期の第2四半期決算の発表と同時に、新中期経営計画「タマステップ2018」を発表した。今回の中期計画では、外部環境の変化によって従来の成長戦略の転換が必要と認識し、新たな成長戦略を打ち出したことがポイントとなっている。
同社の強みであった「低価格で品質の良い住宅」を供給するというビジネスモデルを競合企業が導入するようになり、従来同社が顧客ターゲットとしてきた領域において、競争が激化。積極的な店舗出店によって営業エリアを一気に全国に拡大したことも、同社が短期間で高成長を遂げてきた要因となっているが、全都道府県に進出を果たしたことで、営業エリアの拡大による成長余地が少なくなってきている。
こうした現状を打破し、再成長に向けた事業基盤を構築するため、同社は「“面” の展開から、“層” の拡大による成長へ」を中期計画の基本方針として打ち出した。“面” の展開とは営業エリアの拡大による成長を指し、“層” の拡大とは、多様な商品・サービスを展開することで顧客層の拡大を図っていくことを意味している。
既存の商品の対象顧客は、年収600 〜 700 万円の世帯をメインターゲットとし、住宅価格では1,600〜 1,700 万円レンジの商品を販売しているが、この既存ラインに加えて高所得者向けのハイライン、低所得者向けのベーシックラインと3 つの商品カテゴリーを作り、各カテゴリーで販売チャネルを設けて、最適な営業スタイルで事業展開を進めていく計画。
■新規事業
新規事業としては、不動産仲介事業を収益源として確立させていく。同事業による直接的な売上、利益へのインパクトは小さいが、同事業を展開していくことで注文住宅事業や戸建分譲住宅事業への送客が可能となり、相乗効果は大きいと言える。
また、海外事業に関しては住宅関連事業で成長の見込めるインド、中国に経営リソースを集中投入する。インドでは戸建住宅の請負事業を、中国ではマンションの内装工事事業をそれぞれ現地企業と共同で展開していきたい考えだ。
■経営目標値
中期計画における経営目標値として、2018 年5 月期に連結売上高で201,189 百万円(2015年5 月期予想149,276 百万円)、営業利益で7,073 百万円(同2,269 百万円)、営業利益率で3.5% (同1.5%)、ROE で15% (同0.3%)、D/E レシオで1.2 倍(同1.2 倍) を目標として掲げた。3 ヶ年計画の中では2016 年5 月期までが成長に向けた基盤構築づくりの期間となり、2017 年5 月期以降に収益成長が加速する格好となる。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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