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GMO-AP Research Memo(6):2015年は成長を加速化するための、基盤作りの1年に

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

(1)2015年12月期計画

GMOアドパートナーズ<4784>は2015年を、「テクノロジーオリエンテッドなネット広告企業グループへの進化」を目指し、2016年以降の成長を加速化させるための基盤作りの1年と位置付けている。

まず、1月に純粋持株会社体制に移行した。グループ戦略の立案機能や管理機能の集約を図ることで、各事業領域において機動的かつ効率的な経営を進めることが可能となり、経営におけるスピード感を高めていく。

事業領域としては、メディア・アドテク、データ、エージェンシー、ソリューションの4つの事業領域と新領域に区分して事業展開を進めていく方針だ。従来、GMOアドパートナーズが行っていた事業は新設分割したGMOアドマーケティング(株)に移管している。

メディア・アドテク領域では、GMOアドマーケティングとGMOモバイルにより次世代SSPの開発やメディア開発を中心に商材開発を進めていく。データ領域ではJWordによる機械学習エンジンの研究・グループ全体でのデータ資産の活用を行い、エージェンシー領域ではGMO NIKKO(株)によるプライベートDMPを中心としたデータ戦略および業種特化型の営業戦略を推進し、ナショナルブランドの開拓を目指していく。また、ソリューション領域のGMOソリューションパートナーは、顧客満足度の向上を通し、顧客継続率の向上を目指す。それと同時に、新規顧客の開拓を進めていく方針だ。

また、成長を加速化させるため、2015年はメディア・アドテク領域、及びエージェンシー領域で合わせて560百万円の戦略的投資を実行し、人的リソースの拡充と自社商材の開発を強化していく。具体的な投資内容は以下のとおり。

○メディア・アドテク領域
メディア・アドテク領域では開発エンジニアや営業の増員を行い、新商材の開発・販売体制を整備していく。まず、現在市場が急速に拡大しているスマートフォン広告領域において競争力の高いSSP※1を開発し、配信数における国内トップを中期的に目指していく。スマートフォン広告の領域においては、ブランドセーフティ※2の面から大手ナショナルクライアントが本格的に出稿しきれていないのが現状で、同社では安全に配信できる仕組みやユーザビリティの向上など機能面の強化を図っていくことで、SSPのシェアを拡大していく考えだ。SSPの導入企業(広告媒体)を増やしていくことで、DSP広告など自社商材の拡大を進めていく戦略だ。
※1 SSP(Supply-Side Platform)・・・RTB(リアルタイムビッティング)による広告配信システムの中で、媒体側に組み込まれるエンジン。基本的には、買い手となる広告主のなかから最も高い価格を提示した広告を媒体の広告枠に表示させる仕組みとなる。Googleの「AdSense」など10社以上がSSPのエンジンを開発し、サービス提供している。逆に広告主側のエンジンがDSP(Demand-Side Platform)と呼ばれるものになる。
※2 ブランドセーフティ・・・ブランド価値の維持。アドネットワーク・DSP等の出稿を通じ、公序良俗に反するような媒体に広告が表示されることで、広告主企業のブランド価値が毀損されるリスクが生じるため、広告主企業および広告代理店において、ブランドセーフティの担保が一つの課題点となっている。

また、メディア開発では自社のニュースキュレーションサイトである「Yomerumo」のユニークユーザー※数を増やしていくため、コンテンツ機能の拡充を図っていくほか、テレビCMやWeb広告などのプロモーション活動を積極化し、認知度の向上を進めていく。UU数の増加によって、ネットワーク網も拡大し、自社商材の売上増にもつながっていくとみている。
※ユニークユーザー・・・Webサイト、Webサービス等の利用者の実数を指す。

○エージェンシー領域
エージェンシー領域では、広告運用コンサルタント、営業、エンジニアの大規模増員を行い、プライベートDMP※を軸に販売体制の強化を図っていく。エージェンシー事業を担うGMO NIKKOの営業人員は、同業大手と比較して少数の組織体制となっており、人的リソースの拡充が売上・収益のさらなる拡大のための課題となっていた。
※プライベートDMP(Data Management Platform)・・・ 企業が保有する顧客情報やWeb訪問履歴などのデータを分析してユーザーをセグメントし、その結果を様々なマーケティング施策に活用できるサービス

また、昨年秋よりサービスを開始したプライベートDMPでは、既に同社既存クライアントの一部に導入が決定している。同社サービスの特徴は、使いやすさにこだわったユーザーインターフェースと、Web広告配信へのリアルタイムの連携に加えて、GMOインターネットグループの高度なビッグデータ処理技術のノウハウが結集されていることにある。

プライベートDMPは既存顧客の囲い込みにもつながる商材であることから、まずは同社が比較的取引シェアの大きい既存大手顧客・業界を中心に営業開拓を進め、ナショナルクライアントの獲得も進めていく戦略だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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