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ソーバル Research Memo(4):新体制の構築、事業拡大のM&A、事業の選択と集中を進める

注目トピックス 日本株
■2015年2月期連結決算

(2)2015年2月期の3大トピックス

2015年2月期は、ソーバル<2186>にとって今後の成長のための大きな節目の年にもなった。具体的には、下半期に3つの大きなトピックスが挙げられる。いずれも、引き続き安定成長を維持していくための深謀遠慮がうかがえる決断と言えよう。以下にトピックスを説明する。

(a)トップ交代
2015年2月12日の取締役会において、創業者である推津順一代表取締役社長(68歳)が代表権のある取締役会長に就き、推津敦(しいづあつし)代表取締役副社長(36歳)が代表権のある取締役副会長兼CEOに、稲葉勝已(いなばかつみ)専務(53歳)が取締役社長に就任するトップ人事を決議した。5月27日開催の株主総会後の取締役会で正式に就任する。

就任後は、稲葉勝已社長がソーバル、推津副会長が子会社を含めたソーバルグループをそれぞれ所管し、推津会長がグループ全体を統括する「トロイカ体制」となる。

推津副社長は、2005年に入社し、経営企画や経理など経営畑で経験を積んできた。稲葉専務は、1989年に入社し、システム部門といった同社の中核部門を担当してきた。今回のトップ人事は、推津社長がまだ経営に十分に携われるうちに、能力のある若い人材を、時間をかけて一人前の経営者に育て上げる考えと捉えてよかろう。

なお、年齢なども加味すると、将来的には、推津副会長がソーバルグループを率い、稲葉社長が補佐するという体制づくりを目指すと考えられよう。

(b) M&A
2015年3月31日、アンドールシステムサポート(株)(代表取締役社長:田中晃(たなかあきら)氏、本社:東京都品川区)を5月1日付で完全子会社にすると発表した。買収金額は、取得費用も含めて102百万円。

アンドールシステムサポート(以下、アンドール社)は、1969年に創業、従業員は60人で、車載システムや、生産ライン及び物流搬送設備の制御システムを開発している。2014年8月期の売上高は687百万円、当期純利益は5百万円で、ソーバルの業績に直接、大きな影響を与える規模ではない。しかし、完全子会社化によって、2つの大きなメリットが期待できるとしている。第1は、アンドール社が事業を行っている領域への顧客拡大である。念願の自動車分野への進出が果たせる他、生産ライン・物流搬送設備関連市場への事業拡大も期待できるとしている。第2は、関西への進出である。ソーバルの関西でのビジネス規模は現状では小さい。アンドール社は関西に支社を持っており、子会社化後は、この関西支社をソーバルの関西拠点に位置付ける。当面、ソーバルからの人材派遣は行わず、アンドール社を通じて関西で受注した案件を東京で開発するという形を取り、事業を着実に拡大していく。

(c) RFID事業の売却
2015年4月10日、「その他」事業の中核であるRFIDを同業の(株)アートファイネックス(代表取締役社長:中村隆治(なかむらりゅうじ)氏、本社:福井県鯖江市)に事業譲渡すると発表した。RFIDは、ソーバルが長年手掛けてきた事業だが、ソフトバンク向けの大型案件が一段落したことや、主力のエンジニアリング事業が今後さらに大きく拡大していくと見られることから譲渡を決めた。会社全体としてビジネスが好調であるにも関わらず、事業の選択と集中を進め、より着実な成長を実現していくという深謀遠慮と捉えてよかろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)



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