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高木証券 Research Memo(1):投資信託コンサルティングを強化、中長期的な安定収益に

注目トピックス 日本株
高木証券<8625>は、大阪市北区に本店を置く中堅証券会社であり、近畿及び関東を中心に13店舗を構える。明治6年(1873年)創業の老舗であり、個人取引を主体とした対面営業に定評がある。同社は証券業界を取り巻く環境変化に対応し、更なる発展を遂げるため、新たな「高木ブランド」の確立に取り組んでいる。対面営業の強みが生かせる投資信託を第一の戦略商品として位置付けるとともに、相続税対策などを含めたコンサルティング営業を強化することで、顧客との長期的な取引を前提とした「家計資産のベストパートナー」を目指している。

同社戦略の柱は、投資信託のコンサルティング営業の強化である。2015年3月期は、取り扱う投資信託の品揃えを増やすとともに、同社が独自に開発した「ファンド・ラボ」シリーズ(ファンド分析ツール)により、客観的な分析に基づいた顧客目線のコンサルティング営業を開始した。また、全面的な店舗改装を行うことで、各店舗に「投信の窓口」やセミナー会場の設置を進めるなど営業体制の強化も図っている。

2015年3月期の業績は、営業収益(売上高)が前期比15.0%減の7,481百万円、営業利益が同81.3%減の324百万円と減収減益となった。特に、第1四半期における株式の受入手数料の落ち込みが業績の足を引っ張ったが、注力する受益証券(投資信託)の受入手数料については順調に伸長しており、収益の下支えとなっている。

2016年3月期の業績予想については、市場動向の影響を受けやすい事業の特殊性から、他の証券会社同様に開示はない。今期も株式市況の動向に左右される可能性を否定できないが、投資信託のコンサルティング営業の強化を図ることで、中長期的には安定収益源である信託報酬の比率を高めていく方針である。特に、全面的な店舗改装が完了したことから、好評となっている投資信託や相続・贈与に関するセミナーを各店舗やホテルの会場等で積極的に開催する予定であり、新規顧客の獲得を含め、預かり資産の拡大にどう結びついていくのかが注目される。

■Check Point
・圧倒的な投資信託の品揃えとファンド・ラボを活用して顧客の利益を最優先に提案
・株式市場の回復により業績も回復傾向、自己資本規制比率は健全な水準
・16年3月期は投資信託の増加と預かり資産残高を着実に伸ばす方針

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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