AOI Pro. Research Memo(7):景気回復に伴いTV CM市場は緩やかな成長を維持
[15/06/15]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業界環境
電通の調査によれば、日本の総広告費(2014年)は、6兆1,522億円(前年比2.9%増)と3年連続で増加した。持続的な景気回復期待に加えて、第1四半期(2014年1-3月期)における消費税増税前の駆け込み需要の影響もあったとみられる。ただ、そのうち、地上波テレビ広告費は1兆8,347億円(前年比2.4%増)であり、さらにAOI Pro.<9607>のコア領域であるテレビCM制作費に限定すれば2,170億円(前年比1.1%増)と緩やかな伸び率にとどまっている。
一方、インターネット広告費(媒体費+広告制作費)は1兆519億円(前年比12.1%増)と初めて1兆円を突破した。特に新興領域である運用型広告が5,106億円(前年比23.9%増)と大きく伸びており、インターネット広告制作費も2,274億円(前年比4.4%増)と拡大した。インターネットやモバイル端末の普及に伴うメディア及びデバイスの多様化を反映したものと捉えることができるが、IT技術の進化により膨大なデータ解析に基づく広告効果の最適化が可能となってきたことも、インターネット広告市場の拡大につながっているものとみられる。また、動画によるインターネット広告は、テレビCMの多くが15秒か30秒間であるのに対して、90〜120秒間でその内容をしっかりと訴求できるところや、YouTubeなどの動画サイトを活用して拡散できるところに特徴があり、これからも進化を続けながら成長する市場と言える。
業界構造については、業界老舗の東北新社<2329>を筆頭に、TYO<4358>、同社を含む大手3社によって市場全体の約30%を占めていると推定される。業界団体である一般社団法人日本アド・コンテンツ制作社連盟(JAC)正会員数の推移を見ると、1992年の143社をピークとして2015年6月現在94社に減少する傾向がみられる一方、大手3社の市場シェアが拡大していることから、業界の寡占化が進展しているものと考えられる。その背景には、広告主側の情報管理を含めたコンプライアンス意識の高まりや、スケールメリットが働く事業構造であることから、小規模の事業者が案件を受けにくくなってきたことが考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
<FA>
電通の調査によれば、日本の総広告費(2014年)は、6兆1,522億円(前年比2.9%増)と3年連続で増加した。持続的な景気回復期待に加えて、第1四半期(2014年1-3月期)における消費税増税前の駆け込み需要の影響もあったとみられる。ただ、そのうち、地上波テレビ広告費は1兆8,347億円(前年比2.4%増)であり、さらにAOI Pro.<9607>のコア領域であるテレビCM制作費に限定すれば2,170億円(前年比1.1%増)と緩やかな伸び率にとどまっている。
一方、インターネット広告費(媒体費+広告制作費)は1兆519億円(前年比12.1%増)と初めて1兆円を突破した。特に新興領域である運用型広告が5,106億円(前年比23.9%増)と大きく伸びており、インターネット広告制作費も2,274億円(前年比4.4%増)と拡大した。インターネットやモバイル端末の普及に伴うメディア及びデバイスの多様化を反映したものと捉えることができるが、IT技術の進化により膨大なデータ解析に基づく広告効果の最適化が可能となってきたことも、インターネット広告市場の拡大につながっているものとみられる。また、動画によるインターネット広告は、テレビCMの多くが15秒か30秒間であるのに対して、90〜120秒間でその内容をしっかりと訴求できるところや、YouTubeなどの動画サイトを活用して拡散できるところに特徴があり、これからも進化を続けながら成長する市場と言える。
業界構造については、業界老舗の東北新社<2329>を筆頭に、TYO<4358>、同社を含む大手3社によって市場全体の約30%を占めていると推定される。業界団体である一般社団法人日本アド・コンテンツ制作社連盟(JAC)正会員数の推移を見ると、1992年の143社をピークとして2015年6月現在94社に減少する傾向がみられる一方、大手3社の市場シェアが拡大していることから、業界の寡占化が進展しているものと考えられる。その背景には、広告主側の情報管理を含めたコンプライアンス意識の高まりや、スケールメリットが働く事業構造であることから、小規模の事業者が案件を受けにくくなってきたことが考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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